田辺市議会 > 2002-03-13 >
平成14年 3月定例会(第4号 3月13日)

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  1. 田辺市議会 2002-03-13
    平成14年 3月定例会(第4号 3月13日)


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    平成14年 3月定例会(第4号 3月13日)             田辺市議会3月定例会会議録             平成14年3月13日(水曜日)             ────────────────   平成14年3月13日(水)午前10時開議  第 1 一般質問             ──────────────── 〇会議に付した事件  日程第1             ──────────────── 〇議員定数 20名 〇欠  員  1名             ──────────────── 〇出席議員             議席番号   氏   名              1番  田 中 康 雄 君              2番  芝 峰   進 君              3番  鈴 木 太 雄 君              4番  大久保 尚 洋 君              5番  棒 引 昭 治 君
                 6番  高 垣 幸 司 君              7番  家根谷   覚 君              8番  天 野 正 一 君              9番  浅 山   勉 君             10番  山 本 紳 次 君             11番  初 山 丈 夫 君             12番  山 口   進 君             13番  宮 田 政 敏 君             14番  松 本 定 市 君             15番  大 倉 勝 行 君             16番  八 山 祐 三 君             17番  森   哲 男 君             18番  青 木 伸 夫 君             19番  稲 沢 勝 男 君             ──────────────── 〇欠席議員  なし             ──────────────── 〇説明のため出席したもの             職  名       氏     名            市    長     脇 中   孝 君            助    役     鈴 木 信 行 君            収入役        柴 田   修 君            教育長        愛 須 恒 蔵 君            水道事業管理者    室 井 修 一 君            企画部長       杉 坂 繁 一 君            理    事     高 地 勝 司 君            企画広報課長     森   章 二 君            人権推進課長     福 田 安 雄 君            土地対策課長     上 地 新 二 君            総務部長       砂 野 啓 三 君            総務課長       井 口 富 夫 君            情報政策室長     濵 田 和 男 君            税務課長       川 端 清 司 君            税務課参事      上 野   洋 君            保健福祉部長     山 本   守 君            福祉課長       佐 向 正 嗣 君            経済部長       平 本 寿 男 君            経済課長       庄 堂 琢 磨 君            農林課参事      稲 崎 敏 夫 君            水産課長       森   春 一 君            建設部長       高 橋 進 一 君            理    事     桐 本 崇 生 君            建築課参事      野 田 眞一郎 君            業務課長       坂 上 克 己 君            消防長        衣 田 秀 雄 君            田辺消防署参事    中 本 博 信 君            教育次長       杉 原 莊 司 君            教育委員会総務課長  栗 山   廣 君            生涯学習課長     松 浪 忠 男 君            学校教育課長     岡 山 雅 行 君            社会教育課長     前 田   稔 君            理    事     矢 倉 靖 彦 君             ──────────────── 〇出席事務局職員             議会事務局長     藤 畑 富三郎             議会事務局次長    福 井 量 規             議会事務局主任    中 田 信 男             議会事務局主査    岡 野 哲 士 開 議 ○議長(森 哲男君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成14年第1回田辺市議会定例会4日目の会議を開きます。               (午前10時03分)             ──────────────── ○議長(森 哲男君)    それでは日程に入ります。 ◎日程第1 一般質問 ○議長(森 哲男君)    日程第1 一般質問を行います。  なお、一般質問の通告は、3月5日午後4時に締め切り、抽選により順位を決定いたしました。結果は、通知申し上げているとおりであります。  それでは、質問順位に従って、一般質問を許可いたします。  6番、高垣幸司君の登壇を許可いたします。              (6番 高垣幸司君 登壇) ○6番(高垣幸司君)    皆さん、おはようございます。6番議員の高垣です。私、いつも一般質問では、なぜか順番が最後の方ばかりなんですけれども、今回どうしたことかトップバッターという栄誉をいただきました。ホームランというのは無理としても、何とかトップの責任であります塁に残れるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  本題に入ります前に、このたびの市長選挙におきまして、脇中市長には、田辺市制始まって以来という乱立、激戦の選挙の中にあって、あのような見事な成績で当選されましたこと心よりお喜びを申し上げ、また多くの市民の皆様から受けました信託にこたえられますように、全力投球で三期目に挑戦していただくことをご期待申し上げて、市民の皆様の幸せのために、また近隣の市町村のためにも頑張っていただくことをこの場をお借りしてお願い申し上げたいと思います。  それでは、本題に入りたいと思います。このたびにおきましても、私、教育関係について取り上げさせていただいたのですが、特に前回の一般質問は、子供たちを取り巻く新しい教育指導要領についてお聞きしたわけですが、今回はハード面、すなわち特に教育施設についてお聞きしたいと思います。  テーマにもありますように、公共施設全体についての問題でもありますが、今回は特に教育関係、すなわち保育所、幼稚園、小学校、中学校等の建物について考えてみたいと思います。ここにきて、学校建設のあり方が、少しずつ問われてきておりまして、昭和50年頃からそれまでの鉄筋コンクリート構造一辺倒の学校建設から、木造校舎の良さが見直されつつあるのは、周知のとおりであります。ここで、これまでの日本の学校建設の流れをたどってみますと、明治の学制発布によりまして、近代教育がスタートし、学校は寺小屋や、あるいは民家等の転用から始まったわけですが、やがて洋風の新築校舎が建てられ始めたのですが、コスト高が障害となって、学校建設が進まず、明治の中頃から学校建築は標準化が進められ、4間掛ける5間の教室で、北側片廊下に沿って並ぶ校舎が学校建設の定型となって、近年まで続いてきました。その形態は戦前まで続き、木造主体の和風建築であり、下見、板張り、上げ下げ窓、中央玄関、瓦葺き屋根という原型で共通していました。  しかし、当時は国庫の補助金がなく、建築はあくまで市町村にゆだねられており、実際には、個々の小学校と結びついた地域が主体であり、地域の寄附や労働力の奉仕等で造り上げられ、それぞれの地域性が学校建築に現れ、地域によっては、格式の高い御殿風の校舎で、現在も現役でそれを使っている地域も各所に見られております。その頃から、教室内の採光、換気などの室内環境工学が重視され始め、明治28年の学校建築のモデルプランの提示があった頃から、いわば教室という空間が科学され、さらに運動場、体育館の前身であります屋内体操場が設置され、学校が行政施設から離れ、教育施設だけの機能として今日まで続いた原型となりました。  学校建築の歴史は、一面で、災害との戦いでありました。地震や台風、あるいは火事で、その再建に労苦を注ぎ、また強い校舎へと改善が進められてきました。大正9年に横浜で初めて鉄筋コンクリート造りの公立学校ができ、関東大震災や室戸台風の被害に際し、その強さが再確認され、建築が進んだわけですが、床や腰壁、階段、内装や建具は木が多用され、そこに工夫がされていました。  戦後は人材不足、技術不足の中で、不燃化と戦争で疲弊した木材資源の保護のために、非木造化が大きな課題となり、鉄筋コンクリート造りの校舎の標準型の画一校舎建築が昭和50年頃まで続きました。それは基本的には、木を一切使わないで、ローコストでペンキ塗りで画一的、無機質にならざるを得ないものでした。50年代後半に入り、このような量的整備は一段落して、折から文化性が議論され、地域のシンボルとなる特色ある学校づくりが話題に上るようになり、また、多様な教育方法に対応できる学校施設づくりが課題とされ、豊かで潤いのある生活環境の実現が、テーマの一つになってきました。  同時に、木造の良さも見直されてきました。木質の持つ温かみ、温もり、柔らかさ、やさしさ、落ち着き、安心感、雰囲気がある、香りが良い、輝きがある、結露しない、露がつかないということです。けがしない、保温性がある、吸音性がある、音が響かないということです。また、教師にとっても疲労感が少ないというデータも出ております。また、同時に、社会的背景も変わりつつあります。戦後、荒廃した山林に、スギ、ヒノキ等の増植に増植を重ねた結果、木材資源も充実してき、伐期を迎え、併せて安い外材輸入により、国内産の需要も極端に減りだし、林業振興の意味を含めて、木材使用の必要性も言われ出してきた背景も見逃せません。  次に、別の角度からここに小学校・中学校の教師を対象とした木造校舎と鉄筋コンクリート校舎との疲労感を比べたデータであります蓄積的疲労兆候調査の結果を報告したいと思います。これは鹿児島大学グループ151校、愛知教育大学グループ273校の全国の地方の都市での調査であります。この地方の都市というのは、都会には木造校舎がないためで、同じ地域でよく似た条件下での木造と鉄筋コンクリート構造の比較調査で抑うつ状態や不安感、気力の減退、一般的疲労感、身体の不調等を調査したもので、結果として、木造校舎の訴え率が、鉄筋コンクリート校舎の訴え率をすべて下回り、小学校、中学校共に認められました。  また、別に鉄筋コンクリート造りでも、内装のみに木質を多用した場合、その場合の調査も木造の調査結果に近いものが出ております。これは約2,400名の教員を対象とした結果でありますが、当然、成長期にある多感な子供たちの環境を考えるときに、はるかに大きな影響が考えられ、ゆゆしき問題でもあると考えるところです。データとして、顕著な結果は出ておりますが、原因としてなぜなのかは分かっておりませんが、シックホーム等も言われております現在でありますけれども、建物の構造や内装が蓄積疲労を起こすという事実が明らかであり、先ほど述べた木の持つ温もり、やさしさ、安心感こそが目に見えない、ウッドセラピーとも言えるのではないでしょうか。  次に、資料1にありますように、私、昨年、兵庫県の出石町、弘道小学校の木造校舎の視察に行ってきました。出石そばで有名な出石町は、五万八千石の城下町として栄えておりましたが、山陰鉄道から外れたことで、長年発展の機に恵まれませんでしたが、このことが幸いして、城下町の面影を残すこととなり、近年は、但馬随一の観光地として脚光を浴び、また城下町特有の雰囲気があるところで、町並み保存の意義の中に、この校舎も建てられました。平屋建てで全国的にも視察の多い有名な木造校舎で、町のシンボルともなっております。また、和風建築で、教育方法の多様化、個性化に合わせ、準オープン化しており、高台の山の自然とその下に広がる町並みとに見事に調和した個性豊かな学校でありました。  訪問したときは放課後で、校長先生自ら学校の隅々まで案内してくださいまして、マン・ツー・マンで説明を受けたわけですが、ここで報告できることは限られると思いますが、主だったことを挙げますと、音響が柔らかいこと、オープンスペースを多くとってあること、畳の間を作ってあり、子供たちが寝ころべ、また畳の作法も理解できること、手の肌触りが良いこと、また低学年、中学年、高学年にそれぞれ校舎が分けられ、平家でもあり、反面、建築費、電気代等の維持費も高くつくとのことでした。  全国的に有名な木造校舎であり、敷地の広さも約3万7,000平方メートルで余裕があり、特別な例であるかも分かりませんが、先生の説明の中にも確かに無駄もあるし、木の温もりや良さについては、直接的に子供たちが感じているかどうかは分かりませんが、木の発するイオンや呼吸は、長い目で見て効果が現れるものであると思うし、ここで育った子供たちが、また大きな建築家になったり、伸びやかに成長していくことを期待している、とのことでした。  次に、資料2にありますように、先月ですが、県内の高野口小学校の古い木造校舎を視察してきました。ここは、先日、NHKの報道もありまして、御存じの方も多いとは思いますが、建て替えるかどうかで論議されている学校で、昭和12年に完成した武家屋敷風の様相で、立派な石垣と生け垣に囲まれた品格のある建物で、紀州の学習院とも地元で呼ばれている学校です。これも広い敷地の中の現役の木造校舎で、築65年経過しており、危険校舎であるということ、現代の教育に合わないということ、この意味は、あまり分からないんですけれども、そういうことから、平成15年に建て替えるという計画があったわけですが、ここにきて強度面では補強や修理で、あるいはまちづくりの面からも、保存できないかという議論になっているところであります。  高野口町は、古くからパイル織物の産地で、その最盛期に町の有志から多額の寄附金を募り、この当時の8万8,000円、今の金額にすると約40億円以上の建築費をかけ、ここも平家建てで、ヒノキの柱を500本以上も使った実に頑健な建物で、先人の気持ちを伝えるように大事に使われていました。専門家によりますと、建築物としての寿命は尽きているどころか、あと100年以上は耐久力があるということ、また開放的であるということ、木の温もりが子供たちへの教育的効果が期待できること、地場産業や地域に密着した建物で、愛着心があるということ等で、地域のシンボル的な存在であり、また子供の頃から育ってきた心のふるさとでもあり、住民の人たちは思い入れも深くて、地域の宝として認識している様子でありました。  ここで、今、二つの例を挙げさせていただきましたが、地域における学校のあり方として、いずれにしましても、先ほどの学校の変遷について申しましたように、戦後の画一・公平教育がそのまま校舎、教室のあり方にまで入り込んだ統一された学校づくりから脱却して、両者はそれぞれの地域性を取り入れた、また地域との調和の中に存在するものとして、また学社融合の受皿として、地域の核として存在していることは否めません。この2件の例を比べるに、あまりにも大きい70年にもわたる時間的なずれがあるわけですが、これは単なる懐古主義、あるいは郷愁の念からではなくて、基本的理念について、今、再びその木造の良さや、地域の人々の心のよりどころとして再認識されているのではと言わざるを得ないと思います。  かつて私の母校でも、学校は時には公民館や愛郷会主催の映画館に変わったりとか、演芸大会や町内のいろいろな行事の会場になり、町民の憩いの場でもありました。おらが村の学校的な存在感のあるものであり、子供たちにとってはもちろん、大人にとっても居場所がある交流の場でした。しかし、いつの頃からか、多分学校に宿直室がなくなった頃からだと思うのですが、学校がしっかり閉ざされて、厳重な鍵も閉められて、その頃から学校の中には、いつも先生と子供しか見られない、寂しいものになってきたように思われます。  しかし、ここにきて家庭も学校も地域も、もっと深い理解の下に子供たちと接し、育てていこうという連携と融合が必要であると思われ始めたとき、学校は一方的な教える場から、自ら学ぶ場、生活の場であるべきであろうし、教育改革、教育創造の視点からも、地域の中での学校のあり方を考えていきたいと思うのですが、この点について当局のとらえ方をお聞きしたいと思います。  次に、木造の耐久力について考えてみたいと思うのですが、先ほどの高野口小学校のように管理さえ適切にすれば、200年も耐え得ると言われるように、決して鉄筋コンクリート構造に勝るとも劣るものではないことも言われております。1000年を超える法隆寺や正倉院がそれらを証明し、神戸の震災が示したとおり、あの頑強なビルや高速の橋げたにしても、いとも簡単に倒壊し、反面、和風住宅の比重が屋根にかかっている重い住宅は別としても、木造ハウスの強さも再認識されました。  また、ニューヨークの多発テロで、貿易センタービルが二つともいとも簡単に壊滅したことは、あのテロを仕掛けたとされるオサマ・ビンラディン氏さえも「予想だにしなかった」と言っていますように、いずれにしましても、その耐久力や強度については、メンテナンスが大きく作用することは鉄筋コンクリートも、木造も同じことが言えるのではないでしょうか。  次に、この近辺の木造建築についてですが、構造上の強度の問題で、比較的規模の小さな学校で木造化が少しずつ進んでいるようですが、南部川村の清川小学校、あるいは龍神村役場へも視察に行ってきたんですが、田辺市内においては、まだ完全な新築木造校舎としては実現できていないのが現状であります。これまでいろいろな角度から述べさせていただきましたが、ここにきて戦後の画一的な鉄筋コンクリートにペンキ塗りという校舎は、今、見直されるときがきておりますし、特に地方の時代と言われますように、地域の特性やあり方が問われているときに、また新しい教育指針としての特色ある学校づくりという考え方の中での今後の学校のあり方を考えるときに、学校の役割、教育の目標と多様化、また先ほども申しましたけれども、学校はその土地のコミュニティの核的存在であるべきもの、そのためにも都会には真似のできない田辺周辺のこの素晴らしい自然との調和も考慮しつつ、それぞれの地域づくりの一環として、総合的な見地からとらえていくことが、今後の私たちの課題でもあろうと考えているところです。  私ごとでありますが、私が学んだ地元の小学校、中学校は木造校舎でありましたし、高校もこの庁舎が建つ前の古い和風木造校舎で学びました。今、思い起こしますと、古い木の机やいすに残った彫刻刀の傷や落書き、それに教室の独特の木の香りは、視察に行った先の教室で懐かしく思い起こしましたし、私が言ったら似合いませんけれども、思わず教室の柱にほおずりしたくなるような木の感触は、パイプいすや机、それにコンクリートの壁や廊下で学んできた子供たちには到底理解できるものでないかとも思います。  以前、地元の新しい鉄筋コンクリートの中学校で、PTAの方から、「梅雨時になったら廊下や窓ガラスが露でびしょびしょに濡れて危ないから、じゅうたんか木を張ってほしい」というような要望も現にありました。実際に生徒も転んで軽いけがもありましたし、今はその後、すぐに対応はしてくれていますが、このように子供たちが走り回っても、適当な木のクッションで足が疲れない、また転んでもけがが少ない木の良さも思い当たるところであります。  これまでいろいろ述べさせていただきましたが、疲労感や健康問題、子供たちへの情操教育、また見直されております新しい教育指針の中での教育環境、自然環境との調和、地域性をかんがみ、そしてまた、大人、子供に関係なくあるストレスに対するいやし効果、地場産業の活性化等、幅広い観点での効果を考え合わせ、木造の良さを取り入れるべきと考えるところでありますし、また、これらは一時代前の木造校舎をただ盲目的に復権することではなくて、試行錯誤しながら進化している学校の最新の計画やデザインを生かし、その地域の特性になじみ、時代の流れをくみ取っていくという使命でもって、今後の木造建築に期待を持つものでありますが、当局の見解をお聞かせ願いたいと思います。  次に、前回の一般質問でも取り上げさせていただいたのですが、課題が多くて時間的に少なかったこともあったのですが、その後、都市の学校、特に私立の学校からいろいろな動きもあるようなので、この4月からの学校週5日制の完全実施を目前にした今、この点についてもう一度お聞きしたいと思います。  ちょうど今朝、新聞を見てましたら載ってたんで、ちょっと読ませてもらいますが、「兵庫県立の高校59校で学習指導要領で定められた必修課目の代わりに大学入試で必要な選択科目の授業を受けさせながら、必修科目を履修したように単位認定していたことが12日に分かった」とあります。これは兵庫県立高校164校のうちの59校が、教育委員会の指導どおりじゃなくて、大学受験用の授業をやっていたということがちょうど載っていたんで切り抜いてきたんですが、こういうことが実際もう起こっておりますので、9月議会で私、質問したのですが、そのことをもう一度ここで確認したいと思います。  この校長先生のコメントですけれども、「進学を望んでいる生徒や保護者の期待にこたえようという思いからやってしまった」という校長先生の弁が載っておりますが、時間がないのでこれくらいにしたいと思うのですが、新教育指導要領により、たくましく生きるために自ら学び、考えるという基本理念において、単なる知識偏重の詰め込み教育から脱却して、学力の質の向上を図るため、ゆとりの時間をもって総合教育を目指しているわけでありますが、ここにきて、心配していました様々な問題も浮上してきたことも事実であります。  カリキュラムから見て、学習量が約3割減ることによって学力が低下するのではないか。また、厳しい受験戦争に取り残されるのではないかという懸念から、特に私立学校では約半数ぐらいあるらしいのですが、土曜日に授業を取り入れたり、また公立でもそれを補うために塾に期待したりと、そのような動きが出てきているようです。私は、前回いただいた回答にもありますように、このゆとりの教育によって、それらの多くの子供たちが授業の理解もでき、またそれ以上の学力を望む子供たちにとっても、チームティーチングや教員の裁量によって発展的な学習もでき、またいろいろな可能性も考えられ、結果として、落ちこぼれという言葉が生まれた背景も少しは改善につながるのではないかと思われますし、本来の学校は楽しいもの、生きる力を養える生活の場であるということにもつながり、私個人としましても、4月からの新制度に基本的に期待している者の一人でもありますが、現実としては、進学のための学力を期待する方向とそれらの新しい理念に基づいた人間教育への方向と二極化が進んでいっているようにも見えるのですが、市教育委員会のとらえ方と今後の対応について、お聞かせ願いたいと思います。
     続きまして、同じくこの4月から採用されます学校評議員制度についてお聞きしたいと思います。私は、先ほど取り上げさせていただきました総合的学習を進めていくために、また子供たちの健全育成の意味合いからも、学校、家庭、地域社会が連携した幅の広い教育のあり方について、9月議会でも述べさせていただきましたが、その中で、PTAのあり方についても、単なる学校との連絡網的存在だけでは飽き足りない、やはり教師ももっと子供や家庭を知るべきであるし、また父兄も学校や教師、その地域社会とももっと深い関係であるべきではとの質問をさせていただきました。  そのことこそが、父親の家庭教育への参加、仕事を持つ親が参加しやすい学習機会の提供、ひいては青少年の健全育成、また学社融合の考え方にもつながるものであると思うのですが、それらの目的をも備えた意味での今回の学校評議員制度であると思うわけですけれども、1番目として、評議員制度の目的、方法、効果についてと、次に、今までありましたPTAのあり方、これはもちろん父兄の会でありますけれども、立てりは違うわけですが、このPTAと評議員会のこの二者の理念とあり方についてお聞かせ願いたいと思います。  以上で、1回目の質問を終わります。              (6番 高垣幸司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    6番、高垣幸司君の質問に対する当局の答弁を求めます。  教育長、愛須恒蔵君。             (教育長 愛須恒蔵君 登壇) ○教育長(愛須恒蔵君)    去年の12月から教育長に就任しました愛須でございます。初めての議会でございますので、失礼な点も出るかと思いますが、お許しいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  高垣議員からいただきました学校完全週5日制実施による授業時数や学習内容の削減から、今後は進学のための学力を期待する方向と人間教育への方向との二極化が進んでいくのではないかというご質問にお答えいたします。  4月から実施される学習指導要領の下では、議員が予想されますように、保護者の中には、学力が低下しないか、進学が大丈夫かという心配から、塾通いをさせたり、反対にそれよりも豊かな人間性を育てることが大事と考える人の二通りが出てこないかという見方は、教育委員会としても、今後の課題として考えなければならないところと思っております。  新学習指導要領のねらいは、21世紀に生きる力を育てるため、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、より良く問題を解決する能力、すなわち知的能力面と自ら律しつつ、他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心など、すなわち豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力の2点を重視した教育が求められております。したがって、教育委員会としては、これからの教育は、知的能力を重視する教育と豊かな人間性を重視する教育の二つに分け、そのどちらかを重視して教育を進めるという立場に立つのではなしに、両者を一体的にとらえて、教育行政を進めなければ、今度の教育改革は成功しないものと思っております。  完全学校週5日制実施で、保護者の中には、学力低下を心配されて、塾通いをさせることが多くなる心配はあります。そこで、教育委員会としては、高校進学に大きな比重を占める知的能力を育てることは、学校が受け持つ役割でございますので、学校に次のような指導をして、確かな学力を育てる努力をするよう指導しています。このことを保護者の方にもお知らせし、安心してもらえるようにして、塾通いに集中していかないようにしたいと考えております。  学校に指導するその内容は、一つは、授業時数の確保に努めること。二つ目は、少人数や習熟度別、チームティーチング指導等により、一人ひとりにきめ細かな指導をすること。三つ目に、教科指導を最重要視すること。四つ目に、基礎基本事項については、繰り返し指導して、その定着を図るようにすること。五つ目に、理解の遅れた子供には、放課後などを利用して、特別指導をする機会を設けること。六つ目に、家庭学習へ発展する学習指導法を工夫すること。七つ目に、常に評価をして、学力低下等を感じるときには、学期の途中であっても、時数増加等の改善を図ること。このようなことを指導しております。そして、休日は、家族や友達と一緒に、学校で身につけたことを実際生活の場に生かしながら、自然体験や社会体験をすることを勧め、保護者の理解も得たいと考えております。  次に、学校評議員制度についてお答えいたします。まず、学校評議員制度についてでありますが、平成10年9月の中央教育審議会答申、「我が国の地方教育行政の今後のあり方について」に基づき、これからの学校がより自主性、自律性をもって校長のリーダーシップのもと、組織的、機能的に運営され、子供の実態、地域の実態に応じた特色ある学校づくりを展開することができるように、平成12年1月に学校教育法施行規則の一部が改正され、学校評議員に関する規定が新たに設けられました。  田辺市の教育委員会では、その改正を受け、田辺市立小中学校管理規則を改正し、学校評議員に関する要綱を定めました。そして、この4月から学校で実施する予定であります。評議員の職務は、開かれた学校づくりを一層推進し、学校が家庭及び地域と連携、協力しながら、特色ある教育活動を展開するため、校長の求めに応じて意見を述べることであります。その協議内容は、学校の教育目標及び教育計画、教育活動の実施、学校と家庭及び地域との連携の推進方法など、学校運営の基本方針や重要な活動に関すること等であります。  次に、実施方法でありますが、学校運営に関する設置者及び校長の責任と権限を踏まえ、評議員は校長の推薦により、教育委員会が委嘱することになっています。任期は1年であります。校長は、自らの判断により、必要と認める場合に、評議員に意見を求めることになります。学期1回、年3回程度になるものと考えておりますが、基本的には、校長が一人ひとりの評議員の意見を個別に聞くことになります。しかし、今後必要に応じ、評議員会を開催するなど、各学校の実情に応じた運営方法を工夫していくことも必要になってまいります。  効果でありますが、先行的に評議員に類する協議会を設置し、取り組んできた地域においては、評議員の橋渡しにより、学校と地域との交流活動が活発になったとか、家庭教育の見直しや学校教育との連携強化の気運が相互に高まり、新たな取組が検討され始めた等の効果が挙げられております。今後の取組により、開かれた学校づくりや学校の活性化が進むとともに、学校と地域との結びつきが強くなり、地域の子は地域で育てるという気運の高まりにつながってくるものと期待しています。  最後に、PTAとの関連についてでありますが、PTAは、学校や地域社会と連携し、子供の健全育成に努めること、会員の研修活動を進めること、教育諸条件の整備改善に努めること等を活動方針として掲げ、学校と一体になって子供の教育について活動している団体であります。  一方、評議員は、地域に開かれた学校づくりの視点から、学校の教育方針や教育活動について、率直な意見を述べ、そのことを学校経営に生かすために、新たに設置されたものであります。したがって、評議員が設けられることによって、PTAや校区協議会との関係が変わるものではありません。それぞれの機能を十分発揮して、子供の教育がより一層進展するよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。             (教育長 愛須恒蔵君 降壇) ○議長(森 哲男君)    教育次長、杉原莊司君。             (教育次長 杉原莊司君 登壇) ○教育次長(杉原莊司君)    高垣議員ご質問の1点目の市の公共施設、教育施設の木造化についてお答えいたします。  市の公共施設、教育施設の改築について、特に学校の改築については、校舎の安全性、耐久性が要求されます。そのため、建築基準法にも3階以上、または2,000平方メートル以上は耐火建築物にすることが定められております。田辺市の小中学校で今後、改築の必要に迫られている校舎は、どことも敷地にゆとりがなく、また、移転する場所も見当たらない状況で、現地での建て替えを余儀なくされているのが現状であります。  田辺市の教育施設整備での木造化や、木質化という側面から、その状況を振り返ってみますと、幼稚園では上秋津幼稚園と三栖幼稚園が、木造の平家建てであります。新庄幼稚園は、敷地にかなりの高低差があった関係で、鉄筋コンクリート造り2階建てとしましたが、内部には木をふんだんに使用しております。そして、今年4月に使用を開始する中芳養幼稚園は、木造平家建てで木の香りあふれる施設となってございます。  小中学校の建築では、その規模や敷地条件の問題から、平成10年度建築の三栖小学校は鉄筋コンクリート造り3階建て、それから平成11年度完成の長野中学校では、鉄骨造り2階建てで、また昨年3月に完成しました上芳養小学校は、2階建ての鉄筋コンクリート造りとしましたが、どの学校も床や壁といった内装や廊下と教室の間仕切りなどには、木材をふんだんに使用しております。  議員がおっしゃっているように、鹿児島大学と愛知教育大学が実施した教職員の疲労度等の調査では、木造の方が鉄筋に比べ、その率が低いとされているようでありますが、木の持つ温もりややさしさ、安心感が目に見えない効果となっており、学校建築の歴史の中で変遷をたどり、木の良さが再び見直されてきていることは十分理解できるところであります。今後の公共施設の建築に当たりましては、安全性、耐久性、快適性等を十分考慮しつつ、積極的に木材を活用し、自然環境と調和のとれた施設づくりを目指してまいりたいと考えております。  それから、地域社会における学校のあり方についてのご質問でございますが、学校は、昔からそれぞれの地域の核となってきた施設であり、今後の学校建築については、地域の皆さんの意見も考慮に入れまして、教職員、保護者、地域住民等の連携を図るための会議室など、学校、家庭、地域が連携、協力していけるようなコミュニティ機能を持った施設づくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。             (教育次長 杉原莊司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    6番、高垣幸司君。              (6番 高垣幸司君 登壇) ○6番(高垣幸司君)    学校評議員制度については、詳しい説明をいただきまして、理解できましたし、学校が今までのように、地域や行政から離れた存在で、特別区の感じもあったわけですが、これによって少しでも顔の見える開かれた学校に進んでいくことを期待したいと思います。  また、学校週5日制についてですが、学校独自の教え方や総合教育を目指しての自由度が与えられるということ、それにより発展的学習につなげていけるということは、同時に学校の責任や教師自身の裁量こそが大きな課題となってくると思われますし、それが先ほど申しました人間教育の場としての学校につなげていけるものと考えるところでありますので、教員の指導や採用問題にも及んだフレキシブルな取組を期待したいと思います。  次に、木造校舎についてですが、長々とした質問の割には、簡単明瞭にお答えいただいたのですが、「積極的にどんどん取り入れて、地域に密着できる学校づくりをしたい」という答弁をいただいたと思います。ありがとうございました。私、前回、青少年問題についても質問させていただいたので、詳細は避けたいと思うのですが、青少年を取り巻く生活環境の多様化、特に複雑な家庭環境や多くの有害環境に埋もれた社会背景の中で、この青少年問題は大きな社会問題になりつつあるのは周知の事実ですが、しかしながら、先ほど述べさせていただきました長いスパンで子供たちを取り巻く学校の教育施設の歴史を考察したときに、また先ほどの教員の疲労度の調査で明らかな差がある事実等を考え合わせるときに、ちょうどこの画一的な新しい鉄筋コンクリート教室で、少年少女時代の大半を過ごした子供たちが育ち、成長した時代と、この青少年問題が急に浮上し始めた時代とが時を同じくしていると思うのは、単なる偶然で、私の思い過ごしでしょうか。  これはあくまで私個人の意見でありますが、多感な子供たちを取り巻く考えられるいろいろなソフト面やハード面を含めた生活環境の変化の中にあって、この健康面やまた情操教育の場としての顕著なものが少しでも木造施設やその工夫によって改善できるものであるなら、また前回の質問でアジアの某国の例を挙げさせていただいたように、0歳からの教育というのは、何十年単位の息の長い問題であり、それだけに、今、建ったら戻すことができない施設と、子供たちの長い将来を考えるときに、また学校が子供たちの生活する家でもあり、今、聞かれている、たくましく生きるために学び、学校、家庭、社会が一体となって、多様な総合教育を望み、学校が地域の核ともなるべきものであるのなら、今後の当局の積極的な取組に大きな期待を寄せるところであります。  これで私の一般質問を終わらせていただきます。  ご清聴ありがとうございました。              (6番 高垣幸司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    以上で、6番、高垣幸司君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(森 哲男君)    この場合、暫時休憩いたします。               (午前10時49分)             ──────────────── 再 開 ○議長(森 哲男君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午前11時01分)  続いて、10番、山本紳次君の登壇を許可いたします。             (10番 山本紳次君 登壇) ○10番(山本紳次君)    10番、清新会、山本でございます。通告に従いまして、一般質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、田辺市におけるIT推進戦略についてでございます。過日、清新会において、岐阜県の大垣市にお伺いしまして、ソフトピアジャパン及び大垣市情報工房というものについて視察してまいりました。このソフトピアジャパンにつきましては、国、それから岐阜県、さらには慶応義塾大学等の国内外の有力な大学や研究機関、それに企業が一体となって研究開発機能、あるいは人材育成機能、ニュービジネスの創出機能、情報発信機能をコア機能として持つ高度情報化社会の形成を目指す拠点施設として、平成8年6月1日にオープンしております。  現在、120余りの企業の集積があり、センタービル、アネックス、ドリーム・コア、ワークショップ等々が完成されておりまして、また、産業の情報化、あるいは地域の情報化、そして生活の情報化に努めているとのことでございます。IT革命と言われる中、社会構造の改革が激しい現在、情報技術者の育成や情報弱者をなくすということが、便利で豊かな、そして安心できる社会につながるとして、ITの出前研修や自治体の職員や教員などの行政向けの特定対象研修、あるいは専門家の育成、一般研修なども積極的に行われておりました。  一方、大垣市情報工房につきましては、このソフトピアジャパンに隣接するように建設されておりまして、大垣市情報工房を中心に、小中学校をはじめとする公共施設を情報ネットワークで結び、教育、福祉、文化等の市民生活に関係の深いマルチメディア情報を提供していくマルチメディア情報ネットワーク実験など、情報発信機能と体験サロンや研究室、マルチメディア創作室等々、人材育成機能を備えた施設でありました。平成10年2月10日にオープンされ、市民にマルチメディアを体験していただく施設として親しまれております。年間16万人がパソコンやデジタル影像の体験ができ、利用料も10円から数百円と多くの方が比較的利用しやすい金額に設定されておりました。このような取組につきましては、これから県が施行されますITセンターにおいて取り組まれる課題として、大きく期待しているところでございます。その前段として、田辺市としても、これから県に対してこのような取組、働きかけを行っていただきたいと思いますが、今回は、それまでの田辺市における取組として、市庁舎の中でどのように整備を進めていくのか、その点についてお聞きをしたいと考えております。  予算大綱の中でも、「情報化の推進については、ITを活用した活力ある地域社会の実現に向け、電子行政システムの構築に計画的に取り組み、一層の市民の利便性向上と行政の簡素・効率化を図っていく」となっております。そこで、具体的にこの辺についてどのように進めていくのかお聞きいたします。  まず、パソコンの配備についてでございますが、現状の配備状況はどうか。また、将来的に1人1台というようなことを考えているかどうかでございます。このことは、庁内にいろんなITのシステムを整備していくにしても、それぞれにパソコンがなければ、その機能を十分に生かせないのではないかと考えるところでございます。さらに、いろいろなシステムを構築していく中で、より早く活用できるようにしていくためには、それぞれ各部署にリーダー的な人材が必要となりますが、この人材育成についての考え方はどうかお聞きします。  また、具体的なシステムの関係で、庁内における電子メールやあるいはスケジュール管理、会議室や公用車の予約等、いろいろなシステムが考えられます。情報公開の中でも、文書や会議録等の保管にも生かしていく必要があると考えられます。一方、市民サービスの面から考えますと、ホームページを活用して、各種情報を提供することや市のいろんな申請書類、あるいは届出書類のダウンロード、あるいは教育や文化、医療や福祉の情報の提供も考えられます。さらに、現在、各部署でそれぞれが持っているデータを集積して、お互いに活用するということも考えられるかと思います。  例えば、道路工事をするにしても、水道のマッピングシステムやいろんな地域情報を集積しておけば、工事に際して、効率的に、かついろんな問題も事前に把握でき、対応できるのではないかと考えるところでございます。いろいろな田辺市のITの進め方について、市当局の考え方をお聞かせ願いたいと思います。  2点目の学校給食と木造老朽校舎の整備についてでございます。市内の木造老朽校舎の建て替えについては、特に阪神・淡路大震災以降は、緊急の課題と市長も位置づけされ、最優先課題として取り組んでいただいたことは十分評価させていただきたいと思います。私も、一昨年の12月にこのことについて一般質問させていただき、残された4校の早期建て替えをお願いしました。それ以降、現在、上秋津小学校の移転建て替え事業がスタートし、残された木造老朽校舎は3校ということになっております。そのような状況の中で、平成14年度から学校給食の実施に向けて検討に入ることになっておりますが、保護者の方々からは、「このことにより、木造老朽校舎の建て替えが先送りにならないのか」というような心配の声をよく耳にします。  さらには、ここしばらくはおさまってますが、いっとき田辺周辺でも群発地震が発生しておりまして、木造老朽校舎で授業を受けている子供たちの安全面について心配の声もお聞きしたところでございます。もちろんこの方々も、学校給食の実施については反対しているのではなく、むしろ多くの保護者の方々が望んでいることであると思います。一方、学校給食の実施により、教育関係費用の増加によって、木造老朽校舎の建て替えに影響が出ないかという心配であります。予算大綱の中でも、「老朽施設の解消に向け、上秋津小学校の移転改築に取り組むとともに、学校給食の完全実施に向けて検討委員会を設置し、運営方法等の検討調査を進めていく」となっております。  そこで、この学校給食について、これから検討に入るということでございますが、運営方法についても自校方式か、あるいはセンター方式にするのか決まっておりません。ただ、私が考えますところ、自校方式というのは、財政面等いろいろ考えますと非常に難しいのではないかと。そこで、例えばセンター方式をとった場合、市内の場合、2~3カ所で行うことになるのかなと思うわけでございますが、さらには、学校の受入施設の問題もございます。そのような中で、現在、各地で実施されております実施状況の中から、大まかな予算についてどの程度かかるのか把握ができておればお聞きをしたいと思います。  次に、上秋津小学校の建て替え工事についてでございます。現在、造成工事が進んでおり、14年度造成工事ということでございますが、この上秋津小学校建て替え工事の完成はいつ頃の予定かお聞きしたいと思います。私が聞くところによりますと、今までの校舎整備の期間は、大規模校でも1校、約2年ぐらいで完成しておりましたが、それに比べてさらに期間がかかるのではないかというような懸念もいたすところでございます。この辺の見通しについて、どのようになっているかお聞かせ願いたいと思います。  さらには、もし上秋津小学校の校舎整備が長期間かかるようなことになるのであれば、残されております建て替えについて、できるだけ早く進めるために、設計等いろんなことを前倒しして実施していくような考えはあるのかないのか、この辺についてもお聞かせ願いたいと思います。  以上、1回目の質問を終わらせていただきます。ご答弁よろしくお願いいたします。             (10番 山本紳次君 降壇) ○議長(森 哲男君)    10番、山本紳次君の質問に対する当局の答弁を求めます。   市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    山本議員から2点にわたるご質問をいただきました。 1点目の問題については私から、2点目の問題は、教育の担当次長からお答え申し上げたいと思います。  1点目の市におけるIT推進戦略についてでございますけれども、国では平成13年3月29日に開催されたIT戦略本部において決定されましたeーjapan重点計画において、行政情報の電子的提供、申請・届出等手続の電子化、それから文書の電子化、ペーパーレス化及び情報ネットワークを通じた情報提供・活用に向けた業務改革を重点的に推進して、2003年までに電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現する、いわゆる電子政府にするとともに、これらの実現を図るために国、地方公共団体が緊密な連携を図っていくとともに、国は地方公共団体の取組に対して必要な支援を行うというふうに決定されております。  また、県が進めております和歌山県IT戦略の中間報告に提案されておりますIT Hot Spring構想によりますと、21世紀をリードする最先端産業である情報通信産業が豊かな自然と歴史、文化の宝庫である紀南、特に田辺・白浜地域を指していると思いますが、紀南に集積することで人、物、情報が交流する独特な知的産業の拠点を創造し、地域の活性化を図るとされておりますので、私たち田辺市にとりましても、県のIT戦略、とりわけIT特区については、県と十分な連携を取りながら推進してまいりたいと考えています。  こういう状況の中で、我々地方自治体も電子自治体に向けた取組を行う必要に迫られておりまして、市でも既に昨年5月に田辺市情報化推進本部を設置して、住民基本台帳ネットワークシステムや霞が関WANと全国自治体間を結ぶ総合行政ネットワークなどの構築準備を進めております。さらに、庁内LANの整備に伴いまして、今後のパソコン配備計画につきましては、平成14年度では課・係へのパソコンの補充を行い、平成16年度までの3年間で、一般行政職には1人1台のパソコンの配備を完了する予定を立てております。また、平成14年度当初、全庁的に情報化を推進するには、まず職場の上司がパソコンを理解する必要が重要でありますので、管理職へのパソコン研修も行ってまいりたいと考えております。  一方、各課の情報化水準のレベルアップ並びにネットワークが有効に活用されるためには、ネットワークサブ管理者を配置できるような研修計画も予定いたしておりまして、今後、全職員にメールアドレスを配布し、電子メール、電子掲示板の活用を進め、事務の効率化を図ってまいる方針でございます。さらに、平成15年度には、国が進めております総合行政ネットワークの文書交換システムによりまして、全市町村がネットワークで接続され、行政機関相互では、本格的な電子文書交換時代に入ってくるものと考えております。  こうしたことから、本市の場合、情報の積極的な提供のためには、庁内の文書や会議録等を一刻も早く電子媒体の情報として保管することで、いつでもどこでも取り出せる環境の整備に努めて、国との整合性を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。  続きまして、市民サービスの向上といたしましては、議員ご指摘のとおり、ホームページの活用がございます。現在、市のホームページは、田辺市の案内情報を全国に発信するために作成されておりまして、これを平成14年度には市民のニーズに対応した時間や場所の制約を受けずに、申請書や届出書類等をオンラインでダウンロードできるようにいたしたい、こういうふうな計画をいたしております。また、教育や福祉等の行政情報についても、インターネットを通じて行う双方向の情報の提供の場として、ホームページを改修してまいる方針でございます。  さらに、行政事務の効率化といたしまして、現在、総務課で管理しております市の例規集を平成14年度からは庁内で頻繁に利用する部署から、順次庁内LANのイントラネットで利用、閲覧できるようにするとともに、インターネットを通じて市民の皆様にも公開してまいりますし、また、議会事務局の本会議会議録につきましても、電子データ等の条件整備が整えば、同じように閲覧できるようにしてまいりたいと考えております。  ご質問の行政内部に蓄積されているデジタル地図データ等を全庁規模で利用することは大変有効でございまして、業務の効率化や行政サービスの向上においても非常に重要でございます。今後、田辺市情報化推進本部の地図作業部会におきまして、市民サービスに役立つ視点からの整備を進めるために、各方面の情報を収集しながら、有効な活用方法を検討してまいりたいと考えています。いずれにいたしましても、市のIT戦略を進める上で、電子自治体に向けてのIT施策に取り組むべきことは、田辺市情報化推進本部を推進母体にして、電子行政システムの構築に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。  以上です。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(森 哲男君)    教育次長、杉原莊司君。             (教育次長 杉原莊司君 登壇) ○教育次長(杉原莊司君)    山本議員ご質問の2番目の学校給食の実施と木造老朽校舎整備についてお答えいたします。  学校給食の実施につきましては、12月議会でも、その基本的な考え方について、市長からもお答えいたしましたとおり、今後、老朽校舎の改築と並行して、一定の計画を立てて、完全実施に向けて努力してまいる所存でございます。その実施方法については、新年度より教育委員会に検討委員会を組織し、給食施設の建設や運営方法等について研究・検討してまいります。  給食実施にどれくらいの費用がかかるかについては、自校方式かセンター方式か、また施設を何カ所つくるのか、どこへつくるのか、また、これまでのように公設公営でするのか、あるいは、民間委託にするのかなど、実施の方法によって大きく左右されてまいります。さらに、学校の給食受入設備の改修も必要であり、個々の学校の状況も違い、試算にはあらゆる検討も必要となってくることから、検討委員会の検討結果によって、その時期がまいりましたらご報告をさせていただきますので、ご理解賜りますようお願いいたします。  また、老朽校舎の改築については、東陽中学校をはじめ非木造を含む5校が残っておりますので、今後とも継続していかなければならないと考えております。給食実施によって、老朽校舎の改築に影響が出ることのないよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、上秋津小学校の建築についてでございますが、平成13年度は用地取得を行い、現在、用地の造成設計を行っております。平成14年度で造成工事にかかる予定となっております。早期完成に向けて、工事期間の短縮についても努力してまいりたいと考えております。また、上秋津小学校の建築の最終年度には、次に改築する学校の設計等を併せて実施できるようにとのご質問でありますが、財政状況も見る中で、少しでも早い老朽校舎の改築に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。  以上でございます。            (教育次長 杉原莊司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    10番、山本紳次君。             (10番 山本紳次君 登壇) ○10番(山本紳次君)    ただいまご答弁いただきました。まず、市長の方から、田辺市におけるITの進め方について詳しくお答えいただきました。田辺市に限らず和歌山県の場合、先進県といいますか、先進地に比べまして、ITに関する取組については決して進んでいる地域ではないと思います。先ほど市長からお話ありました電子政府、あるいは電子行政をこれから展開していく中で、さらには県のITセンターの建築を契機に、この地域にとっても非常に急速にこのことが進んでいくことを期待しているところでございますが、市長からもお話ありましたように、それまでの間、田辺市において、庁内において十分な整備を進めていただき、できるだけ早くこのことが軌道に乗ることを期待いたしたいと思います。田辺市情報化推進本部、あるいは情報政策室を中心に、このIT化について積極的な取組を期待いたしまして、この部分についてはお答えいただいたということで、理解いたしたいと思います。  次の学校給食についてでございますが、これにつきましては、今、教育次長の方からお答えいただきまして、学校給食そのものは、これから検討ということなんで、費用面も非常に出しにくいということは理解するわけでございますが、ただ、教育次長の方から給食実施について、校舎整備について影響が出ることのないよう取り組むというご答弁をいただきました。今、お聞きしますと、木造だけでなく、非木造を含めて5校があるということでございます。平成14年度上秋津小学校の造成工事、通常でいきますと、これから2年間、15年、16年と校舎建築にかかるということになりますと、残された5校が17年以降になるということになりますと、非常に長期間かかるということになってまいります。  先ほど設計を少しでも早くということにも取り組んでいきたいということでございますが、5校が残されているということになってまいりますと、非常に先が長いわけでございます。財政的ないろんな状況があるのは理解しますが、かつて並行して2校、建築2年目に次の学校建築にかかるというようなことも田辺市としては取り組んできた経緯もございます。これから多くの課題、予算、非常に厳しいのは理解しますが、子供たちの教育環境を守るためにも、ぜひともそういう並行して校舎整備を実施するようなことも含めて、早期整備についての取組をよろしくお願いしたいと思います。  先ほど高垣議員の方から、教育施設の木造化についてのお話もございましたが、確かに木造の良さについては否定するものではございませんが、今、残されております木造老朽校舎の各学校については、木造の良さという部分を通り越して、教育環境という面から見ると、非常に恵まれているとは言えない状況でございます。その辺も十分ご理解いただいておりますし、新教育長もかつて木造老朽校舎で校長を務められたこともございますので、十分その辺のところはご理解いただいていると思いますので、早期整備についての取組を強くお願い、要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。  ご清聴どうもありがとうございました。             (10番 山本紳次君 降壇) ○議長(森 哲男君)    以上で、10番、山本紳次君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(森 哲男君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。
                  (午前11時29分)             ──────────────── 再 開 ○議長(森 哲男君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時02分) ○議長(森 哲男君)    続いて、7番、家根谷覚君の登壇を許可いたします。             (7番 家根谷 覚君 登壇) ○7番(家根谷 覚君)    7番の家根谷です。今回は、同和対策事業33年間の総括として質問いたします。何回かしておりますので、質問の内容は重複すると思いますが、ご了承願います。また、法以内で最後の同和問題の質問となると思いますので、よろしくお願いします。それでは、通告に従いまして一般質問を始めたいと思います。  昭和40年8月に出された同和対策審議会の答申を受けて、政府において、昭和44年7月に、同和地区住民の社会的、経済的地位の向上を不当に阻む諸要因を解消するという目標を持った同和対策事業特別措置法が制定され、その後、地域改善対策特別措置法及び地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律と三度にわたる特別措置法に基づく同和対策事業の推進によって、生活環境の改善をはじめとする物的な基盤整備がおおむね完了するなど、着実な成果を上げ、様々な面で存在していた較差は大きく改善されましたが、しかし、教育、就労、産業などの分野においては、なお較差が見られると同時に同和問題に関する国民の差別意識は着実に解消に向けて進んでいるものの、結婚問題を中心に、依然として根強く残っている状況であります。  この昭和44年から現在まで33年間続いた特別措置法は、本年3月末をもって終了することになっておりますが、特別措置法の終了が、同和問題の終了を意味するものではありません。このことは、平成13年に策定された田辺市人権教育・啓発基本計画に、同和問題には固有の経緯が存在し、我が国の人権問題の重要な柱であるという認識が述べられています。なぜ心理的差別の解消が容易にいかないのかを考えるためにも、また、ここでおさらいも込めて、同和問題とはどういうものであったか、それに特別措置法の制定に至った経過などを私なりに振り返ってみたいと思います。  皆様にはご理解を得ておりますことは十分承知しておりますが、少し時間をいただきたいと思います。  同和問題は、日本民族、日本国民の中の身分的差別を受ける少数集団の問題であります。同和地区は、中世末期ないしは近代初期において、封建社会の政治的、経済的、社会的諸条件に規制せられ、一定地域に定着して居住することにより形成された集落であります。封建社会の身分制度の下においては、同和地区住民は最下級の卑しい身分として規定され、職業、住居、婚姻、交際、服装等に至るまで、社会生活のあらゆる面で厳しい差別扱いを受け、人間外のものとして人格を踏みにじられてきたのであります。  明治維新により、近代国家への脱皮が始まった直後、明治4年8月、太政官布告いわゆる解放令が公布されて、身分制度が廃止され、一応制度上の身分差別から解放されましたが、実際は形式的なものでありました。解放令の直前に出された皮革業の自由化等によって、従来からの独占的産業が脅かされるとともに、近代産業への門戸が閉ざされ、低位な生活実態を余儀なくされたのであります。すなわち、部落差別を解消していくための経済的基盤の確立等の対策が講じられなかったのであります。  明治末期に至り、ようやく部落の人たちの生活に目が向けられ、大正時代にかけて、部落改善運動が取り組まれてきました。この運動は、部落の風俗、習慣の改善、衛生観念の啓発、産業の振興、教育の奨励等の事業への取組であり、当初は先覚者たちの個人的な活動であったが、やがて行政関係者や地域の有力者を含めた組織的な動きに発展していきましたが、財政的裏付けはなく、部落の人たちの自覚を促すにとどまっていました。  差別を解消するためには、部落の人たち自らが立ち上がり、差別解消の闘いをしない限り、差別はなくならないという考えで、大正11年3月に全国水平社が結成され、一連の運動が始まりました。この運動は、初めは差別者へのいわゆる糾弾闘争が主なものでありましたが、その後、差別を残している社会の状況を正していく動きとなり、次第に、長い差別の結果、奪われた日常生活上の諸権利を取り戻す運動へと進んでいきました。こうして盛り上がりを見せた運動も、昭和10年代半ばには戦時体制強化の波の中に埋没されるのを余儀なくされましたが、戦後における部落解放運動は、この流れを受けて再出発することになったのであります。  終戦後の昭和22年5月に施行された憲法によって、基本的人権が尊重される民主的な時代になったとはいえ、人権を省みる余裕すらないのが実情でありました。こうした混迷の中にあって、いち早く部落解放運動が起こり、昭和21年に部落解放全国委員会が結成され、差別事象や差別の実態を指摘する中で、行政や教育の場での取組を要望、要請していきました。一方、行政におきましても、差別の実態を放置できないという動きを受けて、対策が行われていくようになったのでありますが、その大きな進展の契機になったのは、昭和26年に京都で起こったいわゆるオールロマンス事件であります。  オールロマンス事件とは、大まかに述べますと、「オールロマンス」という雑誌に掲載された部落の生活内容を題材とした小説から差別の実態が明らかになり、それにかかわる行政の責任が問われたものでありまして、この頃から各地で生活環境の改善、就労、福祉の向上を目指す同和対策事業が実施されるようになったのであります。こうした動きを反映して、国においても、昭和28年度に戦後初めて同和対策事業として、隣保館設置に係る補助金を計上して施策を行うこととなり、さらに昭和31年度には共同浴場整備事業、昭和34年度には下水排水路、共同作業場整備事業が実施され、昭和35年度には隣保館運営事業が、昭和36年度には地区道路等整備事業が実施されて、逐次対象事業の拡大と関係予算の増額が図られました。  政府におきましては、昭和33年、同和問題閣僚懇談会を設置し、同和問題解決のための対策を取り入れることにし、同和対策要綱を定めたり、総合的対策を講じるための審議会を設置することなどが検討されました。そして、昭和35年に同和対策審議会設置法が制定され、昭和36年に同和対策審議会が設置され、国の同和対策事業充実への足掛かりができたのであります。この審議会では、内閣総理大臣から、同和地区に関する社会的及び経済的諸問題を解決するための基本的方策について諮問されたことに対して、およそ4年間をかけて審議し、昭和40年8月に答申しました。  この答申は、「いわゆる同和問題とは、日本社会の歴史的発展の過程において形成された身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の集団が経済的、社会的、文化的に低位の状態に置かれ、現代社会においても、なお著しく基本的人権を侵害され、特に近代社会の原理として、何人にも保障されている市民的権利と自由を完全に保障されていないという最も深刻にして、重大な社会問題である。その特徴は多数の国民が社会的現実としての差別があるために、一定地域に共同体的集落を形成していることにある。  最近、この集団的居住地域から離脱して、一般地区に混在するものも多くなってきているが、それらの人々もまたその伝統的集落の出身なるがゆえに、陰にひなたに身分的差別の扱いを受けている。すなわち近代社会における部落差別とは、一口に言えば、市民的権利、自由侵害にほかならない。市民的権利、自由とは、職業の選択の自由、教育の機会均等を保障される権利、住居及び移転の自由、結婚の自由などであり、これらの権利と自由が同和地区の住民に対しては、完全に保障されていないことが差別なのである。  これらの市民的権利と自由のうち、職業選択の自由、すなわち就職の機会均等が完全に保障されていないことが特に重大である。なぜなら、歴史を顧みても、同和地区住民がその時代における主要産業の生産過程から疎外され、賤業とされる雑業に従事していたことが、社会的地位の上昇と解放への道を阻む要因となったのであり、このことは、現代社会においても変わらないからである。したがって、同和地区住民に就職と教育の機会均等を完全に保障し、同和地区に滞留する停滞的過剰人口を近代的な主要産業の生産過程に導入することにより、生活の安定と地位の向上を図ることが、同和問題解決の中心的課題である」と述べられています。  冒頭に申しましたが、この同和対策審議会の答申を受け、政府において昭和44年7月10日、同和地区住民の社会的、経済的地位の向上を不当に阻む諸要因を解消するという目標を持った同和対策事業特別措置法が施行され、その後、地域改善対策特別措置法及び地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律と続いた特別措置法に基づく同和対策事業の推進によって、田辺市においても生活環境の改善をはじめとする物的な基盤整備がおおむね完了するなど、着実な成果を上げ、様々な面で存在していた較差は大きく改善されました。このことは、行政の努力並びに市民の理解の賜物と感謝している次第であります。  これまで33年間にわたり取り組まれてきました同和対策事業について、どのように総括されているのかをお聞きしたいと思います。それに地区住民にとって、気軽に相談できる総合的な窓口であった身近な隣保館、数年前からは地区住民に限定せず、周辺の地域を含んだ広域的な活用が図られ、地域の開かれたコミュニティセンターとして取り組まれていますが、特別措置法の終了後においても存続されるのでしょうか。また、児童館におきましても、遊びを通して健全な育成指導がされ、基礎学力の底上げ等に大きな成果があったと思いますが、隣保館同様、特別措置法の終了後のあり方についてお聞きしたいと思います。  昨今の経済情勢は非常に厳しく、建設業界では、青木建設の倒産やスーパー業界では、マイカルの倒産など、各種企業の倒産が相次いでおります。倒産に至らない企業があっても、企業活動を縮小され、経費節減や事業の効率化を図るなど、リストラが横行しております。このため、全国失業率は5パーセントを超えておりますし、国においては、これから先におきましても、構造改革を進めるとニュースでも大きく取り上げられています。構造改革が進めば、痛みが伴います。痛みとは失業のことではないでしょうか。また、大手家電メーカーや大手スーパーのリストラ対策が発表されております。  このような状態で、国民にとってはますます生活が苦しくなるばかりであります。田辺市民にとっても例外ではないでしょう。とりわけ地区住民にとっては、深刻かつ重要な問題であります。地区住民にとりましては、共同作業場は生活基盤の安定に大きく寄与されました。今、申し上げましたが、経済不況の折、共同作業場は大きなよりどころでありますので、特別措置法の終了した後においても、今までどおり続けていっていただけるのかお聞きしたい。また、現在、共同作業場で働いている従業員は何人いるのでしょうか。地区の方と地区外の方との比率などをお聞きしたい。  最後にもう1点、特別措置法の終了とともに、田辺市同和対策委員会が発展的に解消されることになっております。田辺市の場合、差別事象が起こったときは、同和問題の本質を正しく理解し、完全解決を図るために、将来の展望に立って、教育と行政施策を充実させるなどの実践活動を進め、すべての基本的人権の確立と恥ずべき社会悪を払拭することを目的に、昭和49年に設立され現在に至っている田辺市同和対策委員会が関係機関と連絡をとりながら、中心となって解決に奔走してくれました。本当にありがたいことだと思っております。繰り返し申し上げますが、心理的差別の解消にはなお時間がかかるものと思われます。  現に、たびたび発生する差別落書きやインターネット上に飛び交う誹謗中傷からも明らかであります。このことから、今後とも教育・啓発の取組が必要不可欠であり、また願わないことでありますが、賤称語を使用した陰湿な差別落書き等の人権侵害が発生した場合を思うと不安があります。そこで、田辺市同和対策委員会が解消した後の受皿はどうなっているかをお聞きしたいと思います。  これで1回目の質問を終わります。             (7番 家根谷 覚君 降壇) ○議長(森 哲男君)    7番、家根谷覚君の質問に対する当局の答弁を求めます。   市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    家根谷議員から同和対策事業33年間の総括ということでご質問をいただきました。(1)の問題は私から、(2)の問題は担当の理事からお答え申し上げたいと思います。  今、議員もおっしゃいましたが、昭和40年の同和対策審議会の答申では、「いわゆる同和問題とは、日本社会の歴史的発展の過程において形成された身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の集団が経済的、社会的、文化的に低位の状態に置かれ、現代社会においても、なお著しく基本的人権を侵害され、特に近代社会の原理として、何人にも保障されている市民的権利と自由を完全に保障されていないという最も深刻にして、重大な社会問題である」とされています。  同和対策審議会の答申は、同和問題を人権問題として明確に位置づけ、その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的な課題であることを示し、その後の同和対策の基礎となるものでした。この答申を受けて、昭和44年に同和対策事業特別措置法が施行されて以来、33年間にわたる法的措置が講じられ、国、県、市町村や地区住民の努力、そして市民の理解と協力の下に、実態的差別や心理的差別の解決に向けた総合的な取組が進められてきたことにより、住環境に見られる劣悪な状態は大きく改善され、また、様々な面での格差の是正や差別意識の解消についても相当の成果をおさめてまいりました。  田辺市におきましては、昭和44年の同和対策事業特別措置法施行に伴い、昭和45年に同和課を設置し、昭和46年には、田辺市同和対策長期計画を策定し、さらに昭和57年の地域改善対策特別措置法施行を機に、長期計画の見直しを行い、昭和58年には、田辺市同和対策五箇年計画を策定して、同和問題の早期解決を市行政の重要課題と位置づけて、市民の皆様の理解と協力を得ながら、生活環境の改善、就労対策、教育・啓発等に全力を挙げて取り組んでまいりました。この間、昭和45年に設置された田辺市同和審議会や昭和49年に設置された田辺市同和対策委員会は、この取組に大きな役割を果たしてきました。  特に、行政、議会、教育、運動団体等の各分野の機関団体から構成された田辺市同和対策委員会は、その中心的な役割を果たし、総合行政、市民合意、地区住民主体の三つの視点に基づいて同和対策事業の推進に取り組み、大きな成果を上げることができました。平成元年には、庁内に田辺市同和問題課題検討委員会を設置して、一般対策への移行についての検討を始めました。平成5年、当時の生駒田辺市長は、田辺市同和対策委員会に対し、同和問題についての諮問を行い、平成6年に田辺市同和対策委員会から「法期限を展望した同和行政」と題した答申が出されました。田辺市では、この答申を受け、関係する機関、団体と協議して、一般対策への移行についての課題のまとめを行い、この中で教育・啓発の重要性を確認いたしました。  平成8年に策定しました第三次田辺市総合計画では、まちづくりの目標を達成する主要な視点の一つとして、地域改善の精神を位置づけました。このことは、田辺市同和対策委員会の答申の考え方に基づき、これまで同和問題の早期解決を目指し、市政の重要課題として取り組んできた地域改善対策事業の成果を十分に踏まえて、憲法にも定められた基本的人権尊重の精神を大切にした温かいまちづくりを進めることを確認するものでした。  昭和14年3月31日に、同和問題の解決にかかわる国の最終的な立法措置である地対財特法、詳しくは地域改善対策事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律でございますが、法期限を迎え、行政の取組も特別対策から一般対策に移行することになります。しかしながら、立法措置の期限が切れたからといって、同和問題が完全に解決したということではありません。特に心理的な差別の解消という面から考えますと、まだまだ課題も残されております。今後の人権教育・啓発は様々な人権問題や社会問題も含めた広い視点から考える必要がありますが、同和問題には、固有の経緯が存在し、我が国の人権問題の重要な柱であることを認識する必要があります。同和問題の解決が、あらゆる人権問題の解決につながり、また、様々な人権問題や社会問題の解決に取り組むことが同和問題の解決につながっていくという考え方を大切にしていかなければならないと考えております。  続きまして、隣保館、児童館、大型作業場におけるこれまでの歩みと今後の方向性についてお答えいたします。まず、隣保館でありますが、田辺市ではいち早く同和対策モデル事業の指定を受けて、昭和37年に天神隣保館を、それから昭和38年に末広隣保館を建設し、子ども会活動や生活相談をはじめ生活改善事業等の地域住民の生活に最も密着した施設として、また同和行政の第一線の機関として、その役割を果たしてまいりました。  昭和44年に同和対策事業特別措置法が制定され、これを契機として全国的に隣保館施設の整備・充実が図られ、田辺市におきましても、昭和50年に隣保館と児童館の併設館である芳養児童センターを建設し、昭和62年に天神隣保館を、平成元年には末広隣保館を建て替え、それぞれ名称を西部センター、南部センターと改めました。施設の充実・強化とともに活動の内容につきましても、地区住民の協力を得ながら、開かれた住民交流の場として、人権と福祉のまちづくりの拠点として、また地区住民の身近な相談窓口、行政の総合窓口として、住環境整備や生活向上の取組に大きな役割を果たしてまいりました。  また、隣保館の地域福祉事業であるデイサービス事業を3館とも早くから実施し、デイサービスセンターも建設して、地区内にとどまらず、周辺地域も含めた人との交流活動や福祉のまちづくり活動の拠点としても、地域づくりに貢献しております。平成9年に地対財特法の一部改正が行われたことに伴い、隣保館事業も一般対策として、社会福祉事業法の中に位置づけられ、隣保館設置運営要綱が改正されました。このようなことから、隣保館は同和問題の解決に資する施設としてはもちろんのこと、周辺地域を含めた開かれたコミュニティセンターとしての役割も求められております。今後、隣保館活動は、地区内外の地域福祉活動はもとより、同和問題や人権問題を解決するための拠点施設であることを踏まえ、公民館や児童館との連携をより一層深めながら、市民一人ひとりの基本的人権が尊重される温かいまちづくりを進めるために、その機能の充実や体制の強化に努めてまいる所存でございます。  次に、児童館でありますが、戦後の混乱の中、差別と生活苦の中で、長欠、不就学児童生徒が目立った現状に心を痛めた地区の人々は、学校の先生の協力を得て、子供たちの指導と育成に取り組んできました。昭和27年に起きました差別事象を契機に、子ども会活動が県の教育行政の一環として実施されることになり、県下に子ども会が発足し、組織化されてきました。  昭和44年に同和対策事業特別措置法が施行され、行政的な措置が進む中、学校においては、同和教育推進教員が配置されました。また、地区子ども会活動の場として、昭和50年より、順次児童館を建設し、専任主事を配置するなど、地区の子供の教育的課題を解決するため、行政、学校、地域が一体となり、地道な取組が進められてきました。このような取組と地域住民の献身的な努力の結果、親の意識の高まりも見られるようになり、教育的課題も解消されてきました。  しかし、高校進学の問題や高校へ進学してからの中退、留年等の問題においては、まだ不安定な状況が残っており、平成9年度からは末広、天神2地区が県教育委員会の基礎学力向上推進地域指定事業を受け、地域、学校、行政がより連携を密にしながら残された課題に向けて取り組んでいます。  また、社会が大きく変化する中で、子供を取り巻く環境も大きく変化しており、児童虐待や子育て放棄、いじめや不登校問題、さらには青少年の凶悪犯罪などが増加するなど、次代を担う子供たちをいかにして社会が育てていくかを考えたとき、今後は、子供たちが抱えている課題を地区の子、他の地区の子の課題と区別するのではなく、市全体の中で課題を持つ子供や家庭をいかに支援していくかが重要であり、そこに児童館の果たすべき方向があると考えております。  児童館は、今日まで地区の子供たちが抱える教育的課題と取組、その解決に大きな成果を上げてきました。今後は、残された課題と成果を踏まえた特定地域だけの活動にとどまらず、周辺地域や校区全体、さらには全市的に児童健全育成の情報発信や事業展開を積極的に進めるとともに、地区公民館や隣保館活動との整合性を図り、広く地域の教育、福祉、文化の場として、その機能の充実に努めていきたいと考えております。  次に、共同作業場につきましては、昭和50年代、住環境整備が充実していく中で、同和問題の中心的課題であります経済基盤の確立や就労の安定に向けた取組が必要不可欠であるという認識の下、昭和58年に同和地区就労実態調査を実施し、未就労者や不安定就労者を把握するとともに、共同作業場の整備に向けた取組を進めてきました。結果、昭和58年度より、産業就労対策の拠点として、七つの共同作業場を整備し、地区住民の就労の場を確保してきました。平成3年には、雇用人員も当初の計画でありました300名を超え、一定の成果を上げてきたところであります。  なお、現在は、作業場では、189名の方が就労されておりますが、その中で、約50%、90名の地域出身者の方が就労されているのが現状でございます。これら作業場の運営形態としては、市内の有力な企業を協力企業として事業参画していただき、地域の就労者と協力企業が一体となった企業組合等がその運営に当たるという形をとっており、協力企業の資本力や販売力、労務管理力等を背景に作業場経営の安定を図っております。  また、作業場の経営効率を上げるために、設備の導入や施設の改善に随時取り組むとともに、新たな事業展開を図ることによって、雇用の拡大やより安定した経営を目指す取組も進めてきました。さらに、従業員、協力企業、町内会、行政が一体となった共同作業場運営委員会を組織し、それぞれの立場で、特に就労者の安定的な雇用の継続や働きがいのある職場づくりを目指して、健全な作業場の運営が図られるよう努めてまいりました。  こうした作業場の整備とともに、関係機関との連携による就労の促進を図り、各種雇用促進制度の奨励や隣保館での巡回職業相談を実施し、また各種技能、資格修取得資金への助成を行い、就労機会の拡大に努めてきました。これらの取組によって、昭和58年と平成5年の同和地区就労実態調査に見る就労状況は、格段に改善されたと言えます。これは各共同作業場が、雇用における地域の中核的な役割を担ってきたものであると考えております。  しかしながら、昨今の経済情勢の中、共同作業場につきましても、大変厳しい現状にあります。特に田辺市の共同作業場については、協力企業と一体となった運営形態をとっているため、協力企業の経営状況が、そのまま作業場の運営に反映されることになります。今後は、それぞれの協力企業の経営の安定維持はもとより、厳しい経済情勢を乗り切り、また、低価格の海外製品との競争に打ち勝つための新事業の取組や経営内容の改善等の取組が求められるものであります。このように共同作業場の堅実な運営を行うために、今後もこれら協力企業との連携をより一層密にしながら、公的制度の活用等を積極的に進めるとともに、経営の安定を図るべく取り組んでまいりたいと考えております。  同時に、現在、組織しています各作業場運営委員会を柱として作業効率の向上や良好な就労環境の構築を図り、円滑な作業場の運営に取り組んでいくことも必要であります。なお、将来的な共同作業場のあり方につきましては、設置してきた経過もございますので、国や県の指導もいただきながら、庁内部局はもとより関係機関と連携を図り、検討してまいりたいと考えております。  最後になりましたが、同和問題の解決のためにご尽力を賜りました関係の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げ、これまで取り組んでまいりました事業の成果を損なうことなく、法律があろうとなかろうと、今後も地域改善の精神を生かしたまちづくりを目指して、一般対策への移行を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、答弁といたします。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(森 哲男君)    理事、高地勝司君。              (理事 高地勝司君 登壇) ○理事(高地勝司君)    家根谷議員ご質問の田辺市同和対策委員会の解消と今後の方向についてにお答えいたします。  戦後まもない昭和25年6月、差別事象が多く発生する中で、田辺市における同和対策が始まり、差別に敏感な多くの市民の力が結集し、田辺市人権擁護連盟が創設され、行政と力を合わせて差別問題と真正面に向かい合ってきたのは、ご承知のとおりであります。  こうした活動の中で、昭和40年8月に、同和問題の解決は国の責務であり、国民的課題であるとの同対審答申が出され、県同和委員会から要請があったとはいえ、委員会の設立に向け、活動団体である田辺市人権擁護連盟、田辺市同和審議会と行政の三者が話し合いを重ねて、2年余の歳月を費やして設立されたのが、田辺市同和対策委員会であります。  この田辺市同和対策委員会の設立には、一つの深い思い入れがありました。それは、当時、田辺人権擁護連盟は教育・啓発、田辺市同和審議会には事業の推進を担うという役割がありましたが、田辺市同和対策委員会設立の目的は、同和問題を解決するための取組であるハード及びソフト事業の両面にわたっての措置や施策を行政にだけ任せるのではなく、広く市民の力を結集し、行政・教育・運動が一体となって取組を進めていくため、昭和49年11月に、同和問題を正しく理解し、その認識に立脚して完全解決を図るため、教育・行政施策を一層充実させるとともに、すべての市民による現実に即した強力な実践活動と将来の展望に立った総合対策を促進する運動を展開し、もって基本的人権の確立と恥ずべき社会悪を払拭して、明るい民主的な社会の建設に寄与することを目的に、田辺市同和対策委員会が設立されました。  設立以来28年間にわたり、差別事象への取組も含む同和教育啓発活動を推進してきましたが、その内容の一端を述べてみますと、昭和50年代における田辺市の社会同和教育活動として、極めて大きな成果を残しました同和教育地区懇談会、いわゆる地区懇でありますが、その同和教育地区懇談会の実施と、「学習から実践へ、話し合いから行動へ」をテーマに、昭和51年度から昭和63年度まで延べ11回開催されました、市民同和教育研究集会等行政・教育・運動の三位一体となった活動を推進し、県下でもまれに見る実績を積んでまいりましたが、ご承知のように、国では同和対策は、一般対策への動きがある中で、田辺市同和対策委員会は、平成5年6月25日に、当時の市長から法期限内に解決しなければならない課題及び特別対策から一般対策に移行する方策についての諮問を受け、平成6年3月29日に、「法期限後を展望した同和行政」と題した答申を行いましたが、その基本理念は、「今、完全解決を深める中で、何よりも重視しなければならないことは、残された課題はすべて国民一般の生活と共通の課題として相乗させ、共同と連帯の関係を築き、いわゆる地域づくり、まちづくりの営みに連動することが求められている」ということであります。  ご承知のように、田辺市同和対策委員会は、平成3年度から発展的解消について議論されてきましたが、平成7年12月8日に臨時総会を開き、組織のあり方検討委員会を設置して、具体的な検討に入りました。平成9年1月22日に開かれた運営委員会において、「解消については、市の同和行政の一般対策への円滑な移行、それから県及び市町村間の柔軟な連携、そして、3地区の基本的な合意が得られた時点でよい、したがって今後も検討を続けていく」との方針がまとめられ、その後、慎重に審議を重ねた結果、平成13年4月19日に開かれた平成13年度定期総会におきまして、全会一致で、「平成14年3月31日をもって発展的解消をする」と決議されたのであります。  なお、解消後、その機能の受皿及び今後の方針につきましては、ご承知のように、国においては、平成9年4月施行された人権擁護施策推進法により設置された人権擁護推進審議会から平成11年7月に諮問第1号に対する答申として、「人権教育・啓発のあり方について」が出され、それを受けて、平成12年12月に人権教育及び人権啓発の推進に関する法律が公布、施行されております。その基本計画は、平成14年度の早いうちに策定されるという予定であります。  また、平成13年5月に、諮問第2号に対する答申といたしまして、「人権救済制度のあり方について」が出されましたが、この法律につきましても、平成14年度中に公布、施行される予定であります。それに伴う国の体制づくりにつきましても、平成15年度中に行われるという状況の中で、ご承知のように、田辺市が平成13年3月に策定いたしました「人権教育のための国連10年」田辺市人権教育・啓発基本計画に基づきまして、同和問題を含む人権教育・啓発及び人権侵害に関しては、和歌山地方法務局田辺支局と連携を密にしながら、新しい組織で対応すべく、具体的な取組を進めているところでありますが、今後、ますます複雑、多様化していく人権課題に対し、行政として市民の協力を得て、地域改善の精神に基づき、明るく、住みよい田辺市の創造に努力いたしてまいります。  以上です。              (理事 高地勝司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    7番、家根谷覚君。             (7番 家根谷 覚君 登壇) ○7番(家根谷 覚君)    もうあまり時間がありませんので、端的にいきたいと思います。市長、理事、ご答弁ありがとうございます。   丁重なるご答弁ありがたいのですが、ちょっと市長にお伺いしたいのは、「公的制度の活用等云々、連携を図り」という部分の中で、この公的制度というのは、どのようなことを指しているのか。法があるときは、公的制度があった、その法が切れる中で、公的制度とはどのようなものか、その辺を1点、公的制度の意味についてお願いします。  それと、市同対の発展的解消についての報告集会を16公民館、26会場を回っている中、まだすべて終えていないので分かる範囲で結構ですが、状況と成果はどうか。  それと、報告集会の中で、市同対、同和事業、同和問題について、市民からの質問はあったのか、なかったのか。その辺で再質問をお願いしたいと思います。             (7番 家根谷 覚君 降壇) ○議長(森 哲男君)    7番、家根谷覚君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  経済部長、平本寿男君。             (経済部長 平本寿男君 登壇) ○経済部長(平本寿男君)    議員の再質問にお答えさせていただきます。  公的制度についての再質問でございますけれども、作業場の経営の安定を図っていくためには、県の中小企業の経営安定資金や、あるいは中小企業の不況対策融資等々の各種の融資制度、それから市の診断指導事業の活用、それから国等が実施いたしております地域雇用開発助成金や人材高度化助成金といった雇用の安定を図るための各制度の利用、それから新商品の開発や新事業に取り組む場合における支援制度等がございまして、国、あるいは県等における既存の制度の活用を考えておりまして、今後とも共同作業場の健全な発展に向けた取組を進めてまいりたいと、こう思っているところでございます。  以上です。             (経済部長 平本寿男君 降壇) ○議長(森 哲男君)    理事、高地勝司君。              (理事 高地勝司君 登壇) ○理事(高地勝司君)    家根谷議員の再質問の市同対の発展的解消及び一般対策の移行について、全市民に報告すべく16公民館においてその取組をしているが、その状況についてお答えいたしたいと思います。  このことにつきましては、公民館及び田辺市町内会連絡協議会のご理解とご協力を得まして、平成13年度地域別人権学習会として、市同対及び行政で班編成を行いまして、16公民館区、市全域でございますが、26会場におきまして、去る2月13日午後7時30分から取組を実施しております。3月20日にその取組を終了する予定となっているわけでありますが、この取組に当たりましては、それぞれの公民館区に在住する市職員は率先して出席するということと、部課長全員で班編成を行いまして、それぞれの会場へ出席するという全庁体制で臨んでおります。その取組の内容でありますが、先ほど申し上げましたように、2月13日午後7時30分より開始しました地域別人権学習会も、今日の時点で22会場の取組を終えまして、残り4会場となっております。現在までの22会場へ、1,285名の市民の方が参加されております。  それから、ご質問にありました、各会場での質問でありますけれども、例えば、平成10年3月31日で法が施行した後、和歌山県、田辺市の行政機関がどう変わるのかという質問と、それから法以後、同和という言葉がなくなるのか。それから、県下で同和委員会を解消する市町村はどれぐらいあるのか。それから、心理的差別の解消にどのように取り組んでいくのか。  それから、これは意見でありますけれども、田辺市内に障害者が働ける職場が少ないように思うので、もっと働くことができるようにしてほしい等々の、これは一部でありますけれども、意見がございます。もちろんそれぞれにご理解いただけるように、十分お答えしてきたわけでありますが、この16公民館区、26会場、現在のところ22会場の取組は、膝を交えた畳の上での話し合いとなっておりまして、今までにない大きな成果があったと確信しているところでございます。なお、この地域別人権学習会終了後は、この内容を早いうちに総括いたしまして、今後の人権教育・啓発推進の参考にしていきたいと、このように考えております。  以上です。              (理事 高地勝司君 降壇) ○議長(森 哲男君)    7番、家根谷覚君。             (7番 家根谷 覚君 登壇) ○7番(家根谷 覚君)    ご答弁ありがとうございます。  今、経済部長にお答えいただきました公的制度については、私の受け取り方が悪いのかも分かりませんが、既存ということは、従来どおりやっていただけると認識してよろしいのかというその辺でとどめておきたいと思います。  今後、法以後におきましても、行政は同和問題をはじめとするすべての人権が尊重されるよう、教育・啓発に力を注いでいただけると聞いて、心強く感じた次第であります。私ども3地区同和対策協議会におきましても、法以後は、3地区人権教育推進協議会と改名して、行政と共に、すべての人権が尊重されるよう、まちづくりに取り組む所存でありますので、今後ともより一層のご支援、ご協力をお願いいたしまして、一応私の一般質問を終わりますが、ここでこの場をお借りいたしまして、今まで田辺市民に対して同和問題につきまして広く取り組まれてきました、3月末をもって退職される田辺市同和対策委員会高地理事、また人権推進課の福田課長、また支えてくださいました皆様方に心より御礼を申し上げます。  地域住民以上に同和問題を勉強され、いつもまじめに真正面から目をそむけることなく話し合いされてきたことに、本当に感謝しています。また、問題は残っておりますが、市も提言されていますように、残された課題に関しては、すべて国民一般の生活と共通の課題として相乗させていくとありますが、今後、私は同和問題を柱として、あらゆる人権問題解決に向け、区別、差別のないまちづくりに取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  本当にご清聴ありがとうございました。             (7番 家根谷 覚君 降壇) ○議長(森 哲男君)    以上で、7番、家根谷覚君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(森 哲男君)    この場合、暫時休憩いたします。
                  (午後 2時00分)             ──────────────── 再 開 ○議長(森 哲男君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 2時12分) ○議長(森 哲男君)    続いて、14番、松本定市君の登壇を許可いたします。             (14番 松本定市君 登壇) ○14番(松本定市君)    14番、市民クラブの松本でございます。朝からの質疑で、皆さん大変お疲れのことと思います。本日の最後の質問でございます。できるだけ簡潔に進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくおつき合いのほどお願い申し上げます。  質問に先立ちまして、先の市長選挙で、見事三選を果たされました脇中市長に、改めて敬意を表しますとともに、心よりお祝い申し上げます。多くの市民の願い、また期待あっての結果だと思います。市長職は大変激務でございます。健康には十分留意されまして、任期を全うされますことをお祈りします。おめでとうございます。  それでは、一般質問に移らせていただきますが、今回、私は3期目脇中市政を問うということで質問させていただくわけでありますが、まず、前段で少し申し上げておきたいことは、今、国の政治形態は大きな様変わりをしている時代に入ったと、私は思っております。20世紀時代は、今日まで地方自治体としましては、中央政府に従って、その指揮、命令により、全国それぞれの自治体が、憲法の保障された地方自治を行ってきたと思うわけであります。  そこで、一面では、中央に太いパイプを持つ自治体が、その恩恵に恵まれてきた時代でもあったと言われるゆえんであろうかと思います。1900年代のあのバブル期以降、現在に至るまでの流れの中で、国の財政力も大変弱体化してまいりました。中央集権と言われた政府権限を地方に分けるから、自分のことは自分でやってくれとの地方分権という名の下に、「21世紀は地方の時代」と言われているのが現在の状況であろうかと思います。  今までの地方のリーダーは、陳情やパイプを生かして、国の資金を地方に持ってくるということで、そのリーダーの政治力というものが問われてまいったと思います。しかし、これからは、国の経済的支援があまり期待できない以上、自ら資金づくりをした自治体の運営に入らねばならないのではないかと思うわけでございます。そこで、企画立案、それを実行していかなければならない、経営的な能力が求められる時代に入っていると、私はそう思います。限られた財源の下で、より効率的な企画運用が望まれることであろうかと思います。  そこで、私は、3期目脇中市政のスタートに当たり、行財政問題をはじめといたしまして、5点にわたってお伺いをいたすところでございます。  まず、一つ目の行財政改革についてであります。アといたしまして、平成14年度財政収入の見通しを聞くということでございますが、14年度の国、県の予算状況を見る限り、減額予算であって、また田辺市においても、基幹産業でありますところの農業の梅枯れに始まり、また価格の低落がございます。また、反面、不況の中での商業やその他の業種にいたしましても、同じことが言えるかと思います。そうしたことの中で、税収の落ち込みは必定でありまして、財源の苦しみは度を増すものと考えております。そこで、依存財源だけに頼らない方法があるのかどうか、お伺いいたすところでございます。  それで次に、イの公約実行と整合性についてでありますが、市長は先の選挙におきまして、多くの公約を掲げられたと考えますが、苦しい財政状況の中で、それぞれの公約実行への整合性を、できれば具体的にご説明願えればありがたいかと思います。この場合、公約の優先順位があれば、聞かせていただければ、なお幸いかと思います。  次のウで申し上げる、機構改革は現状のルールで良いのかというお尋ねであります。機構につきましては、その時代や時に応じて見直しの必要があると考えますが、私は、これから先、行政の重点は環境及び教育、福祉への時代ではなかろうかと考えるところであります。将来、市町村合併を見据えた中での対応として、特に環境に対しては、部制を超えたところの、私は局制をしくぐらいの思い切った改革の必要性があるのではなかろうかということを考えます。  また、先の機構改革によりまして、農林水産部という名前が消えました。もともと日本の国は「瑞穂の国」と言われ、国においても農林水産は、省として今日まで独立した体制をとっているのが現状であります。田辺市にとって、第1次産業でありますところの農業、水産また林業は、基幹産業であることは、これはもう言うまでもありません。特に農業や水産業においては、当地方紀南経済を大きく左右する産業でもございます。国、県、市にまたがる農林水産事業の多いところから、農林水産部経済課ではいかがでございましょうか。  次のエのコンピュータ時代になって職員の残業が大変多いと市民の批判があるがどうかとのお尋ねであります。私は、元来、機械音痴であります。したがって、コンピュータの操作もよういたしませんが、この場合、職場へのコンピュータの導入目的は、事務のスピード化と、経費節減のための合理化であろうかと考えます。お手元に参考資料をお届けしておりますが、昭和60年度より平成12年度までの表から見ますと、残業が年々増加していることが分かっていただけると思います。この厳しい財政状況の中で、業務を見直し、管理を徹底し、残業手当を減らし、必要な施策を実施すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、合併の大題でございます。市町村合併について、今、言われております合併対象となる広域市町村の中で、政治経済の中心となるのは田辺市であろうと、私は思います。田辺の市長は、その意味では、周辺町村のリーダー的存在であるということは、これは衆目の一致した見解であろうとも考えているわけでございます。私は、市町村合併の是非論について、これは避けて通れない問題として、いけいけどんどんという調子で良いのかどうか、私の見方としては、この合併策というものは、戦後の中央官僚主義の一方的ないわゆる切り離しであって、我々地方自治体から申し出た合併ではないことに、座標軸を置いてみるべきだと考えているところであります。  地方自治の哲学が問われる問題として受けとめるがゆえに、我々田辺市民も含めて、10カ市町村住民が主役であるという決め方をすべきものと考えております。中央政府が県に、また県は市町村に振った問題を、市の行政は右に同じというように地域町村に振った形で、理想的な合併が期待できないのではないかと心配するところであります。私は、広域合併という問題に対して、多くの住民が関心と不安とが交差しているのではなかろうかと、かように思うわけであります。  住民は、今、合併すると、まず自分たちの生活はどうなるのだろうか。税は高くなるのだろうか、それとも安くなるのだろうか。また、福祉や医療、教育、この制度がどういうふうに変わってくるのだろうか、その他もろもろの課題があろうかと思います。私は今、地域住民が納得する合併を打ち立てるためには、行政として、住民に対し、合併への目的、また住民間で議論ができるこの論点を明らかにする必要があるのではないかと考えるところであります。  そこで、アといたしまして、市長の考える合併の理念と夢、こういうものをお聞かせいただきたいと思うわけであります。特にこの場合の、田辺市が主張することは何であるかということに、私はひとつ力点を置いてお答えいただければありがたいかと思います。  次のイに移ります。いまだかつてない大きなリストラが起こるのであります。それは首長、あるいは議員というものは一定の数で押さえておりますが、やはり職員というものは大変多くを数えるわけでございます。この方々のリストラを行わなければ、私はいけない問題に突き当たる、こうした中で、このリストラ、いわゆる失職されるという、この職員の処遇をどうしていくのかということが、大変大きな問題として浮かび上がってくるのではないかと、かように思うわけであります。また、併せてこの合併を実現させるとすれば、今、言われております合併特例債、これはどういう働きをするんだろうか、そういうことをお聞かせいただければと考えております。  最後に、この合併問題に関しましては、行政の主導でやるのか、それとも住民主役なのかということを、できるだけひとつお答えいただければありがたいかと思います。  続いて、大題の3番目、学校給食であります。学校給食についてでありますが、給食と言えば、昨年、亡くなられました前市議の十河さんを私は思い出すわけであります。ここで熱心に給食問題に取り組みまして、平成2年の当選以来、毎回のように、給食の実施に向けて質問を続けていた十河さんのあの思いが、今やっとここにきて花開くのかなという思いで、質問をさせていただきます。  市長は、8年前にも学校給食をやると公約されてきました。遅れた理由の一つといたしまして、今朝からも山本議員の質問であったかと思いますが、それなりの理由があったと思います。老朽校舎、あるいは危険校舎という、大きな教育問題の中で抱える、こうしたものに対する財源の圧迫ということは当然でありまして、そういう形の中で、私は延びてきたことは理解できます。  しかし、私は、山本議員も言われておりましたように、両立した形の中で、これを進めていくという一つの方法もあったのではなかろうかということで、質問させていただいているわけでございますが、このアといたしまして、実施に当たっては、もしやるとするならば、市の直営事業で取り組みされるのか、またはすべてを民間に委託されるというふうな方法を考えておられるのか、ここらの点であります。  くどいようですが、市の財政的状況や保護者負担、また衛生面いろいろな問題があろうかと思います。今、全国で行われておりますところの実施校の給食実態調査と現在の田辺市の実施校実態調査の比較表でもあるならば、参考までに教えていただきたい。今後の運営方法について、お答えいただきたいというふうに考えるところであります。  そこで、一つ、気になることは、市長が三選直後の2月7日付の紀伊民報のインタビューの中で、給食の完全実施に向けて検討を進めるとしながらも、自校方式では財政的にもたない。施設は市でやり、経営は民間に委託することも考えられるとあり、施設の問題や、自校方式、またはセンター方式にするのかと迷いを見せられていると思うのであります。さらに、給食が必要かどうかということも含めて、納得のいくところまで議論していただくと答えられていることが気になるわけであります。  私は、公約ということは、非常に重いものであると考えております。8年前の公約に基づいて考えるならば、前段で申し上げましたように、ハードな設備などは無理であったといたしましても、お金のかからない、いわゆる話し合いの場である検討委員会ぐらいは設置して、時期がくれば、いつでもスタンバイできるような体制を整えておくべきではなかったのではないかという思いがするわけでございます。イについて、私の知る限り、学校給食に期待する市民が大変多いと思われます。この8年前の公約と併せてダブル公約であります。実施年度は、一体いつ頃になるのだろうか、このためのお約束ができるのだろうかということをお尋ねいたしたいと思います。  次の4番目の次世代対策に移ります。この次世代対策の質問でありますが、今議会で10番目に登壇されます鈴木議員と質問内容が重なっているということのために、年齢的には鈴木議員の方が若うございます。そういうことの中で、若者の問題でございますから、ここらは鈴木議員にお任せしたいと思いますが、私から1点のみ、簡単にお聞きをしたいと思います。  社会は、常に日進月歩の歴史をつくっているわけでありますが、家庭においても、政治の世界においても、世代交代ということは、必ずやってまいります。参考資料をお届けしているわけでございますが、ご覧になっていただければ、お分かりいただけると思いますが、先の市長選挙の年齢別の投票率を見る限り、若者の政治への関心度が誠に気になるところでございます。20歳で恐らく20パーセント余りだったと思います。25歳までのいわゆる若者と言える段階の平均も30数パーセント、一方、その表に示されておりますように、60歳以降は80パーセントを超えているわけです。最終の75歳以降ということになりますと、これは動けない方もございましょうし、そういう時点で幾らかは落ちておりますが、やはり大変関心度というものが、高年代に多いということが示されております。  そこで私は、次のいわゆるバトンランナーと申しますか、私たちの政治・経済、また家庭を引き継いでいただく若者に、どういう形で引き継いでもらうかということの責任があろうかと考えるところであります。そこで、簡単で結構でございます。後の鈴木議員に差し支えのない程度の答弁をいただければありがたいと思うのですが、それは若者の夢とは一体何なのか。また、若者は、現代のこの政治にどのようなシグナルを送ってきていると思われるのか、ここら辺りもし関心がございましたら、ひとつお答えいただきたいと思います。  最後に教育の問題でございます。これも今朝方、高垣議員から質問がございました。私の答えはほとんど出ているのではないかと思いつつも、新教育長にあいさつを込めて、ひとつ存念をお伺いしたいということでございます。まず、この制度を教育長はどういうふうにお考えになっておられるかとのお尋ねでありますが、教育に関する限り、私自身は全くの素人であります。したがいまして、教育とは国民の三大義務の一つでもあり、国家責任においてされるべきものとして、専門家にお任せするのが良いと考えて、今日に至っているわけでございます。  しかしながら、専門家においても、先の歴史教科書の問題をはじめといたしまして、いろいろ意見の分かれることもありました。最近では、学校週5日制の問題が、テレビやマスコミでも取り上げられまして、児童を持つ父兄にとっての大きな関心事となっておりますことは、皆様ご承知のとおりであります。新しい制度が実施されることにより、児童や学校にどのような変化が起こるのか。今朝の高垣議員でほとんどお答えになられておりますが、重なる点は省いていただいて結構でございます。単純に考えまして、国はこの制度改革を行うに当たり、教育に何を求めたのかということを知りたいわけであります。  気になる部分といたしまして、この制度による学習時間の短縮は、学童の学力低下になりはしないか、これも今朝、お答えいただいていると思います。私は、子供たちの自由時間が大変多くなるということが気がかりなわけであります。市教委におかれましては、土曜日対策というのを各学校判断に任せるのか、それとも市内各校を統一して対応されるのか。また、学校教育と自由時間ということに、私は考えを置くわけですが、社会教育との連携、これは必要性が生まれてくるのではないか、これをどういうふうにお考えなのかを教育長にひとつお願いいたしたいと思います。  以上、5点をもって、第1回目の質問を終わります。             (14番 松本定市君 降壇) ○議長(森 哲男君)    14番、松本定市君の質問に対する当局の答弁を求めます。   市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    松本議員から、5点にわたるご質問をいただきました。行政改革についての(1)ウ、エの問題については総務部長に答弁いたさせまして、あと5番目の質問については教育長から、また、その他の問題については、私からお答え申し上げたいと思います。  まず、平成14年度の財政収支見通しについてでございますが、国においては、危機的な財政状況という認識、これはもう我々国民等しくそのことを認識しているわけでもございますけれども、平成14年度の予算を改革断行予算と位置づけまして、公共事業費の削減とか、徹底した歳出の見直し、それから、いわゆる今まで行政でやってきたものをできるだけ民間、あるいは半官半民の形に移行していく、そういうような方策をとる中で、とにかくも歳出の徹底的な見直しをしてきております。  地方財政におきましても、その枠組みを受けまして、地方財政計画そのものも、またその下に編成されまして、地方の単独事業の1割削減とか、マクロに見た地方公務員の削減、そういったことを織り込んだ計画になってきているところであります。こうした公共事業の見直しとか、国庫補助事業の見直し、そして国庫補助金の削減、それから地方債の充当率の見直し、それから地方交付税の内容の問題でありますけれども、投資的な経費に係る算入の削減等によりまして、事業を推進する地方財政の経費というものは、非常に窮屈なものになってきております。  もう少し交付税について申し上げますと、団体の規模による行政経費を反映させる段階補正とか、公共事業の財政負担を反映させる事業費補正等の見直しというようなこともされておりますし、また今後、新たに発行する地方債の元利償還金の交付税の算入率の削減、こういうようなこともされておりまして、公共事業に対する抑制というものが、一層厳しくなってきている、そういう状況であります。  さらに、県の方も補助金につきましては、県財政が非常に厳しいということから、農林水産関係等の補助金が削減されているところでございますし、また、もっと身近な問題としては、県道改修、河川改修等の事業費の予算についても、かなり厳しい予算の編成方針がとられているところであります。そういった状況の下で、平成14年度の市の財政の見通しでございますけれども、議員もおっしゃいましたように、特に第1次産業、特に梅、ミカン、こういう方面のいわゆる価格の低落、そういうふうなことが主要な原因でもございますし、また一般の経済活動も非常に沈滞しているというような状況の中から、市税の収入はかなりの落ち込みを見込んでおりまして、個人市民税及び法人税市民税を合わせますと大体3億3,000万円、10.7パーセントの大幅な減少を見込んでおりますし、市税全体でも2億8,500万円、3.9パーセントの減少を見込んでおります。これは現在の段階での見通しでありますから、どうかひとつこれ以上落ち込まないことを今は願うのみでありますけれども、いずれにいたしましても、そういう見込みのもとで予算の編成をいたしております。  また、県税の利子所得に対する利子割の減少に伴いまして、利子割交付金が2億6,000万円減少するという見込みであります。利子につきましては、いわゆる郵便局の一つの定期預金の例の問題がございまして、利子が一昨年は非常に多かったのでございますけれども、今はそういう状況でございませんし、まして今日のこういう利子の非常に低い、低利の状況でございますから、この交付金が減少するのも、またやむを得ない状況下ではございますけれども、そういうことと、そして、地方交付税とか、地方譲与税、それから地方消費税交付金等が減少いたしております。  ご承知のとおり、本年度の当初予算は、骨格予算で編成をさせていただいて、ご提案申し上げておりますが、その財源につきましては、市税や普通交付税につきましては、現時点での見込額を計上して、歳出と歳入の財源不足を基金の繰入でもって充当しているというのが、予算の骨組みであります。財源を調整するための基金として、財政調整基金と減債基金がございますけれども、ここから合わせて8億5,000万円を繰り入れておりまして、平成13年度の当初予算4億円に比較いたしますと、大幅な増額になっておりまして、今後、6月補正予算についても基金の繰入を一般財源として充てることを考えておりますので、財源調整が必要な金額というのは、相当多額になりますことから、大変厳しい財政運営を強いられる状況にございます。  なお、13年度の繰入金につきましては、財源の調整が図れましたために、本議会で繰入を取りやめる補正をお願いして、ご承認をいただきましたけれども、平成14年度においては、現在の経済情勢の下では、そういう措置も相当に難しいものというふうに、今は判断いたしております。こうした厳しい財政状況でございますが、私は先の選挙で公約として掲げました産業と環境、福祉が共生するまちづくりのために、いろいろな施策につきましては、今後、新たに含めるものもございますけれども、現時点においても実施しているものや、充実を図っているものもございます。  例えば、広域合併の推進につきましては、合併懇話会も既に設置いたしておりますし、さらに合併協議会の設置も図っております。また、高速道路や田辺西バイパスの促進につきましては、工事用道路の整備も行っておりますし、市街地の整備につきまして、海蔵寺地区整備の推進に努めているところであります。  梅の生育不良につきましては、原因究明をさらに進めるとともに、梅の需要拡大を図るための予算も計上いたしております。また、少子化や子育て支援のための低年齢児保育を充実することにいたしておりますし、ファミリーサポートセンターも今後、設置する計画を持っているところであります。  また、公共下水道の整備につきましても、新たに実施するために、調査委託を6月議会でお願いする所存でございますし、学校給食の完全実施につきましても、先ほど教育委員会の方からもお答え申し上げましたが、検討委員会により実施のありようを検討していただく、そういう方向で取組を進めてまいることにいたしております。  これからの田辺市が発展し、市民の方々が安心して生活できるために、その他の施策につきましても、実施できるものから実行に移してまいる所存でございます。これからすべての事業をすぐ今、手をかけるということについては、現在の財政状況では至難のわざであります。そのために、事業によっては、国や県へ積極的な働きかけを行い、協力を得ながら、取り組んでいかなければならない案件も多々ございます。  予算大綱でも申し上げましたが、多様化する市民福祉の向上のための事業が山積いたしております。そのために、私は就任以来、職員の削減とか、高利の起債を低利なものへの借り換え等々、様々な行財政の改革に取り組んでまいりましたが、さらにすべての業務を根本から徹底的に見直し、行政と民間の役割分担など厳しく精査するとともに、市民活動団体との協働のあり方を確立し、今後とも限られた財源を重点的に配分するなど、効率的な財政運営に最善を尽くしてまいりたいと考えております。  次に、市町村合併の問題でございますけれども、まず一つ目の市町村合併の理念はということでのご質問でございまして、私は以前より、市町村合併の問題は避けて通るべきではないと申し上げてまいりました。むしろ積極的にこの問題に取り組んでいく姿勢を、私は持ってまいりました。ご承知のように、我が国におきましては、戦前戦後を通じて、強力な中央集権政治の推進によりまして、欧米へのキャッチアップ、高度経済成長を達成し、今日までの繁栄を築き上げてきたことは言うまでもないことでございますけれども、現在、そうした中央集権という政治システムが様々な理由によりまして陰りを見せております。  国、県、市町村といった行政のあり方につきましても、新しい時代にふさわしい行政システムへの変革の必要性から、これまでの縦の関係でなく、横一線の関係の中で、地方分権一括法が施行され、自己決定、自己責任の原則のもとに、住民に身近なサービスは、地域の責任ある選択において決定するという地方分権時代が、現実のものになってきております。さらには、国、地方を合わせますと、平成14年度末には約700兆円という、想像に絶する負債を抱えた極めて厳しい財政状況への対処が迫られておりまして、国も予算におきまして、これ以上、国債の増発は避けられないということで、現時点におきましては、国債の発行は30兆円という、一つのシーリングを持って予算の編成、運用が行われていることはご承知のとおりであります。  こうした状況を踏まえまして、国では、道路公団をはじめとする特殊法人の見直しとか、高速道路をはじめとする公共事業の見直し等々、それから公務員制度の改革、医療費の負担の問題等々、本当に様々な行革が進められておりまして、地方に対しましても、今日まで地方自治体を支えてまいりました地方交付税制度の改革や市町村が実施する公共事業に対する補助金、地方債制度の見直しなど、我々地方自治体のまちづくりに大きな影響を及ぼす改革が、待ったなしに推進されようとしております。  これらの地方分権社会の到来とか、地方に対する構造改革のうねり、さらには少子高齢化という問題は、やがて高齢化社会の中で、働いて税金の負担をしていただく階層がだんだん少なくなっていく、こういう社会の構造になっていくわけでございますけれども、こういうことからいたしまして、より一層、行政体制を強化、充実し、足腰の強い、基礎のしっかりした地方自治体を再構築しなければならない、そのために市町村合併は最も有効かつ必要であり、歴史的、文化的、経済的にもつながりの深いこの10カ市町村での合併が理想であるという考えで、私は今まで取り組んできたところであります。いずれにいたしましても、市町村合併につきましては、市町村合併問題を受け身でとらえるのではなく、真正面から対峙する姿勢をもって、内容の濃い論議をすることによって、より良い判断をすることが地域にとって重要なことであると考えております。  次に、地域の将来像、ビジョンという点についてでございますが、今後、合併協議会が設置されるという段階でございまして、具体的なことにつきましては、差し控えさせていただきたいと思いますが、この10カ市町村には黒潮洗う雄大な海岸線と神秘的で奥深い森林、渓谷などの自然資源、白浜温泉や龍神温泉をはじめとする観光リゾート資源、世界遺産登録を目指す熊野古道に代表される歴史、文化資源、日本一の梅や森林資源・漁業資源を生かした地域産業、中心都市田辺の都市的機能など、総体として国内外に誇れる素晴らしい地域資源、また機能が集積してございます。  仮に、合併した場合のまちづくりを展望いたしますと、今、申し上げました私たちが有する様々な資源や機能が、今までより一体となり、活用の可能性が飛躍的に向上するわけでございますから、地域内の連携をさらに進め、それぞれが持つ特性を伸ばしながら、都市的サービスとゆとりのある居住環境、さらには豊かな地域資源を併せて享受できる21世紀型の今までにない、新しい自立した地域として発展していく方向に進めていくべきではないかと考えているところであります。いずれにいたしましても、地域の将来像、ビジョンにつきましては、合併協議会が設置され、その中で関係町村の皆様方ともつくり上げていく共同作品であり、その中で、田辺市は中心都市としての役割を果たしていかなければならないと考えております。  次に、10カ市町村の議員数が大幅に減り、住民の声が届きにくくなるのではないかという懸念への対処、職員も大幅に減って、行政サービスに多大な影響が出るのではないかという不安についてのご質問であったかと思いますが、ご承知のように、合併をいたしますと、10カ市町村の面積は1,376平方キロメートルとなり、現在、市として面積が日本最大の1,231平方キロメートルある福島県のいわき市を超える広大な行政区域となります。加えて議員の数が148人から34人と4分の1以下となり、1,800人を超す職員の数も、何人になるかは、現時点では分かりませんが、少なくなることは確実でございまして、住民の皆さんが不安をお持ちであることは十分認識をいたしております。  そうした住民の皆さんの不安の解消やご意見を行政に反映させる一つの方法として、合併特例法には、地域審議会制度が盛り込まれております。地域審議会は、合併前の市町村を単位として、地域住民で組織され、地域の実情に応じた施策の展開に対する意見を新市長に述べる制度でございます。さらに、行政モニター制度や住民相談などにより、住民の皆さんの意見を行政に反映する取組等も考えられ、さらには、こうした取組と併せまして大切なことは、今、議員がご質問されましたことについて、新しい市の職員一人ひとりが問題意識を持ち、住民にきめ細やかな対応ができるよう職員の資質を向上させることが基本的に大切であると思います。  また、昨年、担当職員がいわき市に先進地視察に行き、広大な面積を有する自治体の行政運営の実態を調査してまいりましたが、いわき市では、合併前の各市町村の庁舎や支所等を昭和41年の合併時には14支所、14出張所、9連絡所として位置づけし、現在では12支所、3出張所に統廃合しております。支所等の機能といたしましては、住民福祉、地域振興を基本として、その中でも基幹的な支所には、50名程度の職員を配置され、市民課、税務課、経済土木課等を設けるとともに、ある一定の決裁権を支所長にゆだねられており、広大な面積でありながら、地域に密着したきめ細やかな行政を行っているという状況について報告をもらっているところであります。  現時点で、具体的なことを、まだそういうふうに申し上げる段階ではございませんが、こうした先進自治体の取組等を参考にしながら、面積が広くなって、議員の数が減る、また職員が減るといったことに伴う不安や課題をどう克服するかについて、関係町村の皆様方とともに、合併協議の中で論議を重ねてまいる必要があると存じます。  次に、合併特例債についてでございますが、合併特例法に基づく合併特例債や地方交付税、合併関連補助金などの従来からの支援策に加えまして、昨年8月には、関係省庁の支援策を取りまとめた市町村合併支援プランが策定されております。加えて平成14年度には、和歌山県独自の合併支援プランも策定されると聞いております。  議員ご質問の合併特例債についてでございますけれども、国はこれ以上、新たな支援策はないとの見解を示しておりまして、国の財政状況と全国的な制度でありますことから、私どもといたしましても、大変期待を寄せているところでございますが、これ以上、合併特例債の枠が拡大される可能性は極めて低いと思っており、いずれにいたしましても、議員ご指摘の点も踏まえ、今後とも情報の収集等に努めてまいりたいと思います。  次に、合併は、行政主導なのか、住民が主役なのかというご質問でございますが、市町村合併は、行政、議会、住民の三者が一体となって、地域の将来を共に考えて、最終的な決定を行うべきであると考えております。その中で、住民の皆さんへの情報提供と住民意向の反映が重要でございますので、そのための取組といたしまして、今年度は合併講演会の開催や「広報田辺」の特集記事、パンフレットの全戸配布やホームページの開設等によりまして、合併に関する情報をお知らせするとともに、各種団体やブロック別の懇談会、各種団体との代表者と公募委員で構成する合併懇話会によりまして、住民の皆さんのご意見をお伺いしてまいりました。今後も、合併に関する情報をできるだけ数多く住民の皆さん方にお伝えするとともに、住民の皆さんの意向を把握する取組を、これまで以上に進めてまいる所存でございますので、ご理解、ご協力をお願い申し上げる次第でございます。  次に、学校給食についてでございますけれども、私が市長に就任いたしましてから、常に心がけてきたところでございます。議員はこの8年間に検討委員会をつくって、検討しておくべきではなかったかというご質問でございますけれども、市長に就任以来、学校関係者を中心に意見を聞き、庁内で学校給食の検討委員会を開いて、検討を重ねておりましたが、平成7年1月に阪神・淡路大震災が発生し、地震による被害の甚大さを目の当たりにして、学校校舎の老朽化の状況を考える中、まず木造老朽校舎の改築を最優先すべきと判断いたしましたので、その実施に取り組んでまいりました。老朽校舎の改築も、ようやくめどがついてきたことから、学校給食の完全実施に向け、今までの検討結果も参考にしながら、また平成8年に発生した病原性大腸菌Oー157の対策など、給食調理方法も変わってきておりますので、改めて検討委員会を教育委員会で組織し、検討してもらうように考えているところであります。  なお、学校給食については、慎重的なお考えを持っている方もおられますので、実施することの意義について十分ご理解を得られるよう努めるとともに、施設の設備形態やその数をどうするか、運営方法も公設公営、公設民営、民設民営等のどれにするかなど、委員会において、先進地の視察もしながら、十分検討してもらって、最善の方法をとれるように努めてまいりたいと思います。  また、全国の給食実施小中学校の状況ですが、児童生徒1食当たりの保護者負担の平均単価は小学校は228円、中学校は265円となっており、田辺市で実施している1食当たりの平均単価は、小学校265円、中学校で299円になっております。田辺市の単価が高いのは、1施設当たりの平均児童生徒数が少ないことによるもので、保護者の負担額につきましても、今後、給食の運営方法等の中で検討していかなければならない課題と考えております。  次に、給食の実施年度について、いつにするかという問題ですが、給食施設を公設にするのか、民設にするのかによっても変わってまいりますし、1カ所にするのか、数カ所に分けるのかでも変わってまいります。また、調理場だけではなく、配送される学校側の配膳室やリフト等の設置もしなければなりませんので、これらすべてについて検討委員会で十分に検討していただき、具体的な計画を立てて、議会にも報告してまいりたいと考えているところであります。  それから、若者は、政治に何を求めていると思われるか、若者の投票率の低下をどう考えるかという、具体的に今回の市長選挙を踏まえてのご質問であったかと思いますけれども、お答え申し上げたいと思います。  ご指摘のとおり、今回の市長選挙において、年齢が低下するに従い、投票率も低下している状況にあります。全国的に見ましても、投票率の低下が大きな問題となっているわけでございますが、このことの大きな要因といたしましては、残念ながら政治、選挙への無関心があると思われます。田辺市の場合、全体的な投票率は比較的高い方だと思いますが、全国的な若者の政治離れに加えて、20代前半の方では、住民票は市内においても、実際は都会に居住していて、投票されていないケースも多少あると思いますが、そうしたことも、今回の投票率に現れているのではないかと考えております。  また、平成6年の市長選と今回の市長選を比較しますと、20代の投票数の全体投票数に占める割合が、平成6年11.49パーセントから9.20パーセントに下がっており、若者の選挙離れという現象だけでなく、今後も少子高齢化の影響から、全体の投票数に対する若者の投票数の割合がさらに減ることが心配されます。このため、私は、これまでもできるだけ機会をとらえて、若い世代の皆さんの意見や考え方を聞かせていただき、行政に取り入れてきたところでございますけれども、まさに多様な価値観と若者特有の集団から個への傾斜を強く感じさせられてまいりました。そうした若い世代の考え方と、現在の全体的な政治のありようのギャップが、政治離れの一つの要因になっているのではないかと思っております。  しかしながら、こうした状況にあるからといって、田辺市の将来を背負っていただかなければならない若い世代の皆さんの意見が、行政に反映されにくいようなことがあってはならないのは、当然のことであります。私は、自治の深まりは、参加、参画、そして協働のステップアップにあると考えておりますし、若者にとって魅力あるまちとは、そこに住む人々が、まちづくりに積極的な意志と展望を持ち、かかわることのできるところから生まれてくるものと思っております。  そして、選挙での投票は、参加へのまず第一歩であります。そうしたことから、先般の選挙に際し、JCの若い皆様が自ら討論会を企画、開催されたことに感謝しているところでありますし、これからも、こういう機会はどんどんつくっていただければと期待しているところであります。また、行政といたしましても、今までの型を一歩進め、オープンに若い皆様と意見交換し、多様な価値観を持ちながら参画できる場やシステムを検討していきたいと考えておりますので、よろしくご理解を賜りますようお願い申し上げます。  以上であります。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(森 哲男君)    教育長、愛須恒蔵君。             (教育長 愛須恒蔵君 登壇) ○教育長(愛須恒蔵君)    私の方からは、学校週5日制実施に関連するご質問にお答えいたします。  いよいよ平成14年度より完全学校週5日制が実施されます。同時に、平成10年12月に告示されました新学習指導要領が、この4月より全面実施となります。この新学習指導要領の改定のねらいは、大きく4点ありまして、1点目は、豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること、2点目は、自ら学び、自ら考える力を育成すること、3点目は、ゆとりある教育活動を展開する中で、基礎基本の定着を図り、個性を生かす教育を充実すること、そして、4点目は、創意工夫を生かして、特色ある学校をつくることであります。  次に、完全学校週5日制実施のねらいは、学校、家庭、地域社会での教育や生活全体で、子供たちに生きる力をはぐくみ、健やかな成長を促すために、学校、家庭及び地域社会がそれぞれの教育機能を発揮する中で、子供たちが自ら考え、主体的に判断して、行動できる資質や能力を身につけるとともに、豊かな人間性とたくましく生きる体力を育てようとするものであります。したがいまして、土曜日や日曜日を利用して、家庭や地域社会で子供たちが、生活体験や自然体験、社会体験、文化・スポーツ活動など、様々な活動や体験ができるようにすることが大切であると考えています。  次に、休日が増えることによって、児童生徒の非行問題が増加するのではないかと、そういう懸念についてでありますけれども、非行問題が、実際に増加するかは未知数でありますが、第二土曜日のみ休日になったときや、第二、第四土曜日が休日になりましたときに、そのことによって、非行問題が顕著に増加したという傾向は見られなかったように思われます。  しかしながら、文部科学省が、今年1月31日に発表しました完全学校週5日制が実施されることを踏まえて、子供と大人の週末の過ごし方や体験活動に対する意識などを尋ねた地域の教育力の充実に向けた実態・意識調査の結果を見ますと、実際の休日の過ごし方について、これは複数回答も良いとして調査したものでございますけれども、小学校3年生の回答では「テレビゲーム、パソコンをする」と答えたのが30.4パーセント、「テレビ、ビデオを見る」と答えたのが29.7パーセント、「ゆっくり寝る」、 「家でごろごろしている」と答えたのが、それぞれ13.2パーセントと12.2パーセントであります。また、中学2年生の回答では、「テレビ、ビデオを見る」が39.2パーセント、「映画、買物など」が31.1パーセント、「テレビゲーム、パソコンをする」と答えたのが30.4パーセントとなっております。  このように、休日には、家の中で一人で遊ぶ子供が多いという傾向があるだけに、完全学校週5日制を目の前にして、より充実した休日となるよう、次の5点を学校へ指導しているところであります。  一つは、児童生徒に休日の意義ある過ごし方を随時指導することが大切で、それについては、具体的な例を挙げて指導するようにすること。二つ目には、家庭に学校週5日制の趣旨を理解してもらって、休日の子供の過ごさせ方を工夫してもらうようにすること。これについては、例えば、お手伝いをさせたり、できる範囲で料理を共にするとか、親子で自然体験や社会体験をしたり、地域の奉仕活動に参加するなど、家族の絆が深まるような休日であってほしい、そういう指導をしてくれることを願っています。三つ目に、体力づくり活動や自然体験活動などを奨励し、児童生徒が希望すれば、部活動や自然観察などの体験活動をするようにしてやること。四つ目に、次週の学習につながるような課題を出し、家庭で自ら学習する習慣を育てるようにすること。五つ目に、教職員は、地域の活動へ積極的に参加していくようにする、こういうことであります。  以上のことを、市内全体の学校に指導しているところでありますが、具体的には、児童生徒や学校の実態に応じて工夫しながら実施するよう指導してまいりたいと考えております。また、教育委員会としましては、学校の対応だけでなく、子供たちが利用できる社会教育施設を開放する計画を立てています。例えば、美術館では土曜日に限り、小中学生及び同伴者を無料観覧にしたり、歴史民俗資料館では、体験学習を実施したり、また公民館、図書館、児童館でも活動の場や体験の機会を設け、利用してもらう計画です。  そのために、各学校に公民館との連絡係を新たに設け、連携をとるようにしています。併せて子供たちが体験できる行事などを、子どもセンターの情報誌や公民館報等で随時お知らせする予定でございます。この完全学校週5日制が円滑に実施され、子供たちにとって、より意義深い休日にするには、学校、家庭、地域、各関係機関が連携を図り、子供たちが参加できる自然体験、社会体験、スポーツや文化体験ができる場を計画することが大切であるととらえ、その推進を図りたいと考えております。  以上をもって、答弁とさせていただきます。             (教育長 愛須恒蔵君 降壇) ○議長(森 哲男君)    総務部長、砂野啓三君。             (総務部長 砂野啓三君 登壇) ○総務部長(砂野啓三君)    私から議員ご質問の機構改革は現状のルールでいくのか、コンピュータ時代になって、職員の残業が多いと市民の批判があるがどうかということについてお答えします。  まず、市の行政機構は、現状のままでいくのか、あるいは変更する考えがあるのかというご質問におきまして、環境部の設置、農林水産部の復活等のお考えをいただきました。議員お考えのとおり、環境問題につきましては、リサイクルを中心とした環境型社会構築への施策、広域的なごみ処理計画等への取組に加え、市町村合併問題をも視野に入れた対応が必要となってきております。  現在、この環境に関する業務につきましては、幾つかの課にわたって施策を実施していることから、これらの業務を集約し、効率的かつ的確に環境に関する施策を推進することを目的として、新たに環境部設置の検討を進めてきたところであり、今議会に追加議案として提案したいと考えているところです。行政機構につきましては、時代に対応した行政を、時期を逸することなく進めていくため、組織を硬直化させず、また市民に分かりやすく、かつ合理的に運営できる体制を基本理念として、状況に即した柔軟な対応をしてまいりたいと考えております。  なお、議員からお話がございました農林水産部の復活につきましては、ご提言として受けとめさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、コンピュータ時代になって、職員の残業が多いと市民の批判があるがどうかという質問についてお答えします。議員から、コンピュータの導入目的は、スピード化と合理化であるとのお話をいただきました。本市では、コンピュータの導入が昭和42年度でしたが、初期のコンピュータ導入時期におきましては、計算業務や大量なデータ処理が目的であったため、事務の効率化が図られたということは事実でございますが、現在のコンピュータ化は、業務の多様化に対応するために、蓄積されたデータを活用して、統計分析を行ったり、また企画立案等を行っていくという形態が主たる目的となっており、必ずしも直接的に人員削減につながるというわけではありません。  しかしながら、議員ご指摘のように、コンピュータやパソコンを活用し、業務の合理化、経費の削減、時間の短縮を図るということは、当然必要なことで、パソコン等の機器の整備や職員研修等により、職員個々のパソコン能力をより一層高めることにより、業務処理のスピード化、合理化に努めてまいりたいと考えております。また、議員から一般会計決算における時間外勤務手当額の状況につきまして、資料に基づきご質問いただきましたが、平成4年度と平成12年度とを比較いたしますと、手当額では約50パーセント増加しております。
     この理由といたしましては、時間外勤務時間数及び平均単価の増加が主な原因となっております。全体の時間外勤務時間数が増加しております原因は、ハード面では、市民総合センター、清浄館、ごみ処理施設、美術館、たきの里、紀州備長炭記念公園、新庄総合公園の建設事業等、またソフト面では、リゾート開発の取組、固定資産のシステム化、生涯学習の推進、南紀熊野体験博、介護保険事業、区画整理事業、高速道路の推進、上富田及び中辺路大塔消防署の事務受託、市町村合併事務等の事業を推進してきたほか、県からの事務移譲等の新規事業に対応してきた結果であります。  また、一方では、平成10年に策定いたしました田辺市行政改革大綱に基づき、5年間で22人の職員を減員するという実施計画を進めているところでございますが、本年4月の段階におきまして、計画より10人多い32人の減員となる見込みであります。この間の新規施策への対応や多様化、複雑化が進む行政需要の増加等を考えますと、数字に現れている人員以上の削減になっているものと考えております。こうした状況の中におきましても、時間外勤務の削減については、当然、検討していかなければならない課題であり、議員ご承知のとおり、時間外勤務の削減策の一つとして、昨年5月から所属係長及び課長が、今まで以上に時間外勤務の内容や必要性の精査が可能となるよう、時間外勤務命令簿の様式の一部を変更し、所属長には、常日頃から所属部署の時間外勤務の削減について、工夫、検討するよう徹底しているところであります。  また、職員の健康面の配慮を目的として、時間外勤務の多い職場において、勤務時間の割り振りを変更できる勤務体制の実施も行っているところです。その結果、受託により職員数が増加しました消防業務及び選挙執行時に不規則的に繁忙となります選挙事務を除きますと、昨年4月から今年の2月までの時間外勤務の時間数は、昨年の同時期に比べますと、市町村合併の事務事業調査等の膨大な事務を全庁的に実施したにもかかわらず、マイナス4.5パーセントとなっております。また、全体の時間外勤務時間数につきましても、平成8年度をピークとして、減少傾向となっております。  このように新規施策等が増加する一方で、人員の削減を実施しておりますが、今後もコンピュータやパソコンの活用などにより、業務執行において、さらに工夫、検討を加え、業務の合理化、経費の削減、時間の短縮に取り組むとともに、行政改革の推進についても、不断の努力を重ねてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  以上です。             (総務部長 砂野啓三君 降壇) ○議長(森 哲男君)    14番、松本定市君。             (14番 松本定市君 登壇) ○14番(松本定市君)    長時間にわたって、ご答弁をいただきました。ありがとうございます。まず、行財政改革から順を追って申し述べたいと思います。  行財政改革の中で、国・県の方針に加え、市税の落ち込み等の状況を聞かせていただきました。平成14年度の苦しい財政事情がよく分かりました。財政通と言われる市長のことですから、的確な財政運営を期待いたします。  次に、公約との整合性については、特に優先順位として位置づけはなかったように思いますが、いずれも大切な事業が山積しているわけであります。できるだけ幅広く運営に当たっていただきたいと思います。特に行政と民間の役割分担ということに注目をいたしまして、可能な限り民間の参加を、この際に強く要望いたしておきたいと思います。  次のウの欄の機構改革についてということでございますが、環境部の設置がいよいよ発足するように受けとめました。大変良い判断だろうと思います。環境時代と言われだしてからも久しい年月を重ねてまいったと思うわけでありますが、大都市のように局制への移行も、私は地方もそう遠くはない時代に入ってきたのじゃなかろうかと思います。この所管部分の今後の取組に大いなる期待をしたいと思います。  さて、農水の呼称でありますが、現在において、農業産品や水産物は田辺市にとって大きな外資獲得の先端をいっていると思います。この外資導入というものは、田辺市や付近の市町村におきましても、大変経済的にも底上げの役目を果たしているのではないだろうか、こういうことを考えますと、ちなみに昨年度までは、農業において、梅が下降気味の中で「ちょっと人気落ちの梅」だと言われながらも、粗生産112億円という数字を記録しているところでもあります。  この先の機構改革によりまして、農林水産部はもう廃止されまして、経済部にそれぞれ課として編入されたわけでありますが、配置されている職員数が経済関係の職員よりも、農林水産関係の方が約3倍の職員がおられるということです。私は、この件につきまして、1回目の質問は誤解を招くような発言であったかと思います。これは、いわゆる農林部を別にまた新たにつくってくれということじゃなくて、いわゆる呼称、呼び名を農林水産を頭に持ってこれないのかということを考えたあげくでございまして、それと申しますのは、今、農業者の皆さん方から、「田辺市になぜ農林部ないんな」と、「これだけ梅の問題で我々やいやい言っているのだけれども、農林部というのがないのはさびしいのう」と、「国や県等には皆あって、いろいろな制度を利用していくのに、同じ名前の方が良いのちがうか」と、こういうことが多く聞かれたことでございまして、そういうことで、特にこれにはこだわっておりませんけれども、私は将来、農林水産部経済課という形にでもなるようなことはいかがかなと、これは提言として申し上げておきたいと思います。  そして、次の残業手当の件であります。時間外勤務時間数の多いこと、それに単価が高いことをお答えいただいたのでありますが、参考資料の平成12年度をご覧いただければ、38歳の方で、時間外手当は1,947円になっていると思うんですが、これが残業ということに置き換えますと、100分の125が加算されます。そうなると、2,433円という数値が出てくるわけです。そして、10時以降だと100分の150が加算されますから、2,920円という数値が出てくるわけです。  私は、そこで一つ参考までにお聞きいただきたいと思うのですが、今、我々この周辺のパートで働いておられる方々の時間給というものは、特に女性が多いわけですが、700~800円というのが現況じゃなかろうかと。人にもよりますが、この数値から比較論が出てまいります。田辺市の職員は残業したら大きいんやというこの比較論からすると、やはり2倍、3倍という数値に当たってくる、そういうことを考えますときに、人件費がやはりこの行財政を行っていく中で大きなウエートを占めているということなのです。  だから、できるだけ人件費を削減されることが理想じゃなかろうか、そういうことになりますと、残業を少なくすることはもちろんでありますが、私は、ひとつ参考までに教えてもらってまいりましたことは、地方公務員の給与水準の目安となるこのラスパイレス指数ですね、この指数では、国家公務員を100と基準を持った場合ですね、田辺市は102.6で、2.6ポイント多いわけでございます。県下の7市で比較論をとってみますと、和歌山市をトップに、海南、新宮の100というところまで下りるわけなんですが、そこの中で海南市の103ポイント余り、それぐらいだったと思うのですが、それらと比べますと、やはり行政は、ここら辺りに改善の余地があるのではなかろうかと、そういうふうに思うわけであります。非常に今は税収の落ち込みが見込まれるなど、大変苦しい財政状況が予想されますことから、昇給の延伸や給料カットなどを実施して、この厳しい状況を切り抜けていくことが必要であると考えますので、それらの実施に向けて、ひとつご検討いただけますように、これは提言としてお伝えしておきたいと思います。  次に、2番の市町村合併でございます。私は、この合併に限らず、一つの物事の達成を見るのに、一つには、理想というものがありまして、次には信念、いわゆる理念がありまして、そして今の置かれている現実というものをどう受けとめるかと、ここら辺りが一つの大切なことじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。お答えいただいた内容には、こうしたこともすべて含まれてお答えいただいたと思うわけでありますが、私は、前に述べましたように、紀南のリーダーは、政治経済の中心となる田辺市長であると考えております。市長の理想は、「10カ市町村合併が理想である。そして、合併問題が受け身でなく、正面から対峙することである」と、こういうふうにお答えいただきました。この理想、理念の実現に対し、今後の合併協議会でこの議論を持って積み上げられる、こういう私は受けとめをしているわけなんですが、では、現実の状況はどうなのかということであります。  今、盛んに報道されております事等を目にする限りでは、かなり厳しい状況が待っているように思われてなりません。最近の自治体がそれぞれ自己の抱える諸問題を含めた中での自治体同士の既にもう綱引きが起きているのじゃなかろうかと。この調整をすることもまた、リーダーの役目に落ちつくのじゃないかと、そういうことの中で、市長にはそれぞれの自治体への配慮もございましょうが、少なくとも一つの理念を持って10カ市町村の合併を促すならば、ある程度の強い発言を持って、進めていかれるぐらいのことがあって良いのじゃなかろうかなと、私、個人的にそう考えております。  この辺については、お答えをいただく問題ではないと思いますので、ひとつこうした意見もあったということを踏まえていただきたい。そして私は、特にこの合併の中で個人的に感じることですが、今後、10年間は政府において保障される、しかし、15年先になってくると、先行きは大変苦しくなるのじゃないかと、そうなると、先ほどの次世代対策ということでも述べたかったのですが、将来、自分たちの息子や孫の代に、「先輩の人たちは良いまちをつくってくれた」と言われるような、やはり先行きというものを重点に、私は考えていただく必要があるのじゃないか、こういうことを感じるものでございまして、やはりいずれ議会でも議論されることになりましょうから、まず市長の方でひとつその辺はご理解いただきたいと思っております。  次に、3番目の学校給食でございます。答弁の内容からは、教育委員会で検討委員会をつくって検討に入るということであったと思います。これから先は、検討委員会次第と、私はおっしゃる意味を受けとめたわけですが、それでは、8年前の公約にまた戻ったのじゃないかというふうな気がするわけなのです。中には、実施に対する慎重論者もいると答えられていることは、場合によっては、できないこともあり得るということでありましょうかと、私は気になるところでございます。  それで、できるだけ早く終わりたいのですが、時間はまだ大丈夫だと思いますので、給食の質問は、この項目だけでございます。最大の悩みはやっぱり財政の財源的な問題が大きなウエートを占めているのじゃないか、そうすれば、すべてを自主財源で行わなければならないのかといったら、そうじゃないと思います。やはり国の学校給食法からして、国からの財政支援措置はどうなっているのだろうかということが、まず考えられます。現在は、市内で実施校を対象にした交付税算入はどれぐらいなのか。それからまた、今後市内全校で実施するとすれば、どれぐらいの交付税措置が講ぜられてくるのか、この辺だけ、もし1点だけお分かりであればお答えいただいて、あとは実施年度は、大変諸般の事情からしてお答えにくいと思うのですが、市民の皆様のご意見等をまとめて、私、聞いた限りにおきましては、市長の進められる広域合併の成立までに何らかの形で答えられるのだろうか、それとも先ほどの答弁でお聞きしたように、ある程度、次の新市に任されて、流れ込んでいくのだろうかという、この辺の市民の皆様の心配事が、私はあったような気がするわけです。  そこら辺りをもしお答えがあるならば、お答えいただいて、そして、次の4番目は、当然これは鈴木議員にまたお答えいただけると思いますし、先ほど本当に若者が大変政治に関心が薄いのではないかということをお聞きした程度で結構でございます。  5番目の教育の問題でございますが、特に私からありませんが、一言言えることは、「子供に読書を進める必要があるのじゃないか」ということが言われてきております。そうしたことの中で、この自由時間、できるだけ非行につながらない、勉強する環境を何とか考えてほしいということが出てくるのじゃないか、こういうことをひとつこれもお願いいたしておきまして、私の2回目の質問を終わります。  1点だけ、給食に関して、いわゆる交付税算入措置がどう見込まれるのか。それから、これが全校実施となると、どれぐらいになり、田辺市から支出していかなければならない自主財源というものの比率はどのぐらいになるのか、分かっておれば結構です。もし、まだこういう場でのお尋ねですから、分かりにくければ、また後日、お聞きしても結構かと思いますので、よろしくお願い申し上げます。             (14番 松本定市君 降壇) ○議長(森 哲男君)    14番、松本定市君の再質問に対する当局の答弁を求めます。   市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    学校給食に関する再質問でありますけれども、私の姿勢は一環いたしております。学校給食について前向きに取り組んでいくという、そういう姿勢でありますので、ご理解を賜っておきたいと思います。ただ、学校給食について、すべての皆様が賛成していただけることではなくて、お弁当は父兄が作るべきだという、そういう議論の方もおられますから、そういう辺りも議論してほしいという思いを私はいたしましたけれども、とにかく私は、学校給食を進めてまいりたい、こういう考え方であります。そういうことで、教育委員会にもお願いいたしております。  それから、給食に関する費用でありますけれども、これは学校給食の費用というものは、地方交付税の中に既に単位費用として入っております。今までの交付税で一つの学校が、例えば生徒何人で何クラスといった場合に、用務員がいて、学校給食の職員がいてという単位費用の中に、学校給食の費用は既に織り込まれております。ですから、学校給食を全然やっていない自治体も、100パーセントやっている自治体も、交付税で支給されている、こういう交付税制度であります。  田辺市の場合、そういうことで、細かく計算いたしますと、1億9,000万円以上が交付税の中に算入されている。しかし、これは給食をしないから減らされるというものでもなければ、これから給食をやっていっても増えるというものでもありません。これは交付税そのものが、いわゆる人口10万人の地方自治体をモデルとして、そして費用をこういうふうに算定する中で、例えば消防の費用でもそうでありますけれども、常備消防のあるところとないところとは違いますけれども、団員は何人で、どういう費用でというふうな形の中で、人口10万人の場合のモデル的な費用が出て、それに対して、いわゆる加算をし、あるいはまた削減していく、そういう交付税制度になってございます。ご理解を賜りたいと思います。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(森 哲男君)    14番、松本定市君。             (14番 松本定市君 登壇) ○14番(松本定市君)    大変長時間にわたりまして、また当局には熱心にお答えいただきましたこと感謝申し上げます。  今の件で、1億9,000万円も入っていたのかなという気がし、改めて私勉強できまして、これが単に活用されたのであろうと思いますが、2月16日でしたか、新聞投稿にありましたように、「税はどうなっているのか」と、「事業に対して公平であるか」ということのご意見があったものですから、私はこれも一つ気になっておったことでございます。けれども、ただこれだけにではなくて、そのお金がどんな形でまた児童に回ってるやも分からない、ここら辺りに、やはり私ども理解ができていない面もあろうかと思います。  今後は、できるだけ早く、一つは実施に向けての公約をなさいました市長ですから、今回の選挙でも、多くの皆様が市長にそういう期待をかけて投票された方もおったのじゃなかろうか、こういうことを考えますときに、できるだけ市民の皆様の要望にこたえられるような、こういう運びをひとつやっていただきたいなと。ところが、大変このような時世、財政が厳しくなる中、ましてや合併という、こういうような大きな課題の中で、なかなか大変な気配りをいただかないといけないと思うのですが、まあひとつそこら辺りは財政通の市長でございますから、その振り分けは信頼しております。どうかひとつその辺をご理解いただきまして、市政に反映をお願いいたしたいと思います。  それと教育長、ありがとうございました。私、本当に学校週5日制に関して、子供がかなりの自由時間を持つということは、非行というものに走る恐れが高いのじゃなかろうかと、そういうことを心配しましたので、お尋ねいたしました。ひとつその辺も踏まえて、適切な教育指導を行っていただきたいと思います。  本当に長時間ありがとうございました。             (14番 松本定市君 降壇) ○議長(森 哲男君)    以上で、14番、松本定市君の一般質問は終了いたしました。  お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ延会し、明3月14日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(森 哲男君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。 延 会 ○議長(森 哲男君)    それでは、本日はこれをもって延会いたします。               (午後 3時45分) 地方自治法第123条第2項の規定により署名する。  平成14年3月13日                   議  長  森   哲 男                   議  員  松 本 定 市                   議  員  大 倉 勝 行                   議  員  八 山 祐 三...